水曜日は午前中、大阪の取引先でのしごとを済ませた後、メトロポリタン美術館展を見に大阪市立美術館に向かいました。

どうしてもこういった美術館コレクションが他国をめぐる展覧会の場合、現地に行きその美術館に行き膨大なコレクションを見るのとは全く別物というのはしょうがないことではあります。今回はメトロポリタンの中でルネッサンス初期から印象派までのヨーロッパ絵画のほんの一部ですが、カラヴァッジョ巡礼者としては所蔵のカラヴァッジョ作「音楽家たち」が来ていたのでとりあえず行きますかという気持ちでした。

今回はニューヨーク、メトロポリタン美術館の天井を2年以上をかけて改修、その期間を利用しての巡回展となっています。入館して、オーディオガイドを借りて一点一点見ていきます。メトロポリタンのキュレーターさんが選んだヨーロッパ絵画はその画家の特徴がよく表れている印象的な作品が多く、2時間たっぷり堪能しました。お目当てのカラヴァッジョ「音楽家たち」は初期の作品ながら、エルミタージュ美術館で見たリュート弾きにも近い、肌や顔の表情、果物、楽譜などの細部の書き込みなど想像以上の力作でした。メトロポリタンが5点もっているフェルメールの一つ、カトリック信仰への寓意画もなかなか深みのある一点でした。そしてラトゥールの「女占い師」はカラヴァッジョにも似たモチーフがありますが、華麗な衣服と女達の謎めいた表情などこの美術館展のいちばんの作品でした。

楽しめました。いつか現地に行きます。この絵が「音楽家たち」
これがラトゥール「女占い師」。図録を撮影。

そして先日のブログに書きましたように、日本美術をもっとよく見ていきたいという気持ちが強くなってきたのであべのハルカス美術館で開催の「コレクター福富太郎の眼」に足を伸ばしました。

福富太郎さんは11PMなど夜の番組にでているキャバレー王として子供心に知っていたので、女性の絵ばかり集めるちょっとエッチなおじさんじゃないかと最初抵抗がありましたが、入場したらすぐわたしを日本美術に導いてくれた山下裕二さんのあいさつ文があり、これも山下裕二企画なのかと嬉しくなりました。山下裕二さんによれば福富太郎さんは戦後、日本最大級かつその選択眼の適切さなど日本最良のコレクターだったそうです。女性をテーマに、鏑木清方の多くの作品群、そしてそれに連なる有名、無名作家を作品に対峙して個人的に買い続けた福富太郎コレクションは間違いなく素晴らしいものでした。

素晴らしい傑作を買い所有するという、まず一般人ではできない「究極の贅沢」を体感できた気がします。

大阪にお出かけの際はぜひ。曽根崎心中のドラマチックな場面。
大阪は快晴