混雑が苦手なので、お盆休みで混む観光地には行きたくありません。せっかくの長いお休みであるお盆休みの時間が過ぎていくのをクーラーの効いた部屋でまんじりともせず待つのも悲しい。そこで名古屋市美術館へ北川民次展を見に行きました。北川民次のことは良く知りませんでした。静岡県の出身でメキシコで美術を学び、帰国後は戦中、戦後にずっと瀬戸にすんでいたそうです。

なにも先入観のないまま涼しい展示室に行くと、強い表現の絵がどんどん続いていました。移民にいった親戚もいて、フリーダ・カーロやルフィーノ・タマヨにも興味があり、いまだ行ったことがありませんがメキシコという場所は親しみがあります。メキシコで暮らす人々を大胆な筆致で書かれていた絵には心奪われました。わたしは知りませんでしたが地元に縁のある画家でした。なじみがあるCBC本社の外壁の壁画は北川民次の作品で、今はありませんがわたしの町内のカゴメ本社のなかにも北川民次のモザイク壁画があったようで、知らないまま見ていたということになります。だから初めて見た絵画なのにどこかデジャヴ(既視感)を感じました。1950年には東山動物園でこどものために絵画教室を開き、その中には養老天命反転地を制作した荒川修作も輩出したようです。瀬戸の街で住み居酒屋で北川民次もよく地元の人と飲んでいたそうです。アーティストが普通に暮らす街って素敵ですね。

出征した兵士に手紙を書く子
昭和初期の人々
瀬戸の陶器工場
瀬戸の町の小路。
メキシコの男が本を読む図
悲しい眼をしたメキシコのロバ
二人の人物の心やいかに
子供の個性を抑圧する大人の図
CBC社屋の壁画