この水曜、仕事で出張があったので合間の時間でアーティゾン美術館の「エトランゼたち」を鑑賞して、夕方「フォンタネージ展」を見に三菱一号館美術館を訪れました。どちらも東京駅に近く便利です。
まずアーティゾン美術館で、「エトランゼたち」。江戸期日本には絵画を含め独自の文化が花開いていましたが、鎖国もあり西洋文化との交流は極めて限定的でした。開国から明治初期にかけて、ヨーロッパでは印象派が登場し絵画の大変革期を迎えました。明治維新以降、日本の画家たちが西洋絵画を学ぶためにパリに赴き、印象派、古典絵画に触れ、洋画を学びました。浮世絵、水墨画とは全く違う新しい技法、考え方による絵画との出会い、そして学んだ彼らの作品特集です。印象派の巨匠らの強い影響。そして模写で彼らは真摯に西洋絵画を学び、みずからの画風の発見に向かっていったのです。そこには未知の表現を懸命に吸収しようとした画家たちの情熱が残されています。西洋絵画を正確に写した模写はオリジナリティを重視する今日のアート市場ではまず評価されないかもしれませんが、アーティゾンコレクションの基礎を築いた石橋正二郎がこうした作品を収集していたことにも興味を覚えます。日本の民衆に西洋絵画の素晴らしさを伝えるためだったかも。





仕事を終えた夕方、三菱一号館美術館の「フォンタネージ展」を訪れました。イタリア・トリノ市立近現代美術館所蔵のコレクションが中心で、叙情的なその風景画には、自然を見つめる画家の心の動きが感じられます。自然を描くことは、単に目に映るものを再現することではなく、そこに画家自身の感情が重なっていくのでしょう。
またフォンタネージは、1876年に来日し、日本の若い画家たちに洋画を教えたイタリア人画家です。2年間の短い滞在でしたが、西洋絵画を学ぶ日本の画学生たちに大きな影響を残しました。
西洋絵画を学びに海を渡った人々と、それを伝えるために日本へ渡った画家。二つの展覧会を通して、近代日本の洋画が生まれる過程にあった人々の情熱に思いを巡らせました。






