ブルーズはたしかにカッコいい。それは間違いない。ただブルース最高、唯一無二と言われると違和感を感じる。下手なブルースはだれでも一緒に聞こえるし、ブルーズのコード進行にも正直飽きてしまった。とうぜん世界中にはブルース以外にもすばらしい音楽がたくさんあるはず、それがワールドミュージックへの興味の流れだった。特に魅入られたのがジョアン・ジルベルトがナイロン弦ギター一本で歌う歌ーボサノヴァ。ほどなくジョアンの音楽のみがボサノヴァで他のは「ボサノヴァっぽい」だけだと考える原理主義者となりジョアン・ジルベルトをはじめとしてブラジルのポピュラー音楽ばかり聞いていた20世紀末。
無理だとわかっていても必死になって繰り返し聞いてコピーをしたことがある。一曲だけ「SEM COMPROMISSO」という曲だけコビーに成功してよく弾いていた。
ジョアン・ジルベルトのすべてのCDの弾くギターをすべて採譜するという偉業を成し遂げたのは当店でライブをしていたいたこともあるバーブ中嶋さん。このたびそのジョアン・ジルベルト完全ギター譜を刊行。ブラジル音楽界のコメントが凄い。
「ジョアンに渡しました、彼はとても喜んでいます」by ジョアン・ジルベルトのファミリー「わたしの家宝みたいなもの、、、」by 小野リサ「あなたは驚くべきアーチストだわ、ハグとキス」by ミウシャ(ジョアン・ジルベルトの2度めの奥様)「愛してるよ!」by モラエス・モレイラ、ペペウ・ゴメス(ノヴォス・バイアノス)「ジョアン・ジルベルトの全ての作品を収録した最初にして唯一のソングブック」by ブラジル最大の新聞 O GLOBO
わたしもウェブで刊行のニュースを知り、即購入二ヶ月後到着。これで自宅ソファでナイロン弦ギターを手にする宵が増える。まずはじめに弾くはJO JO BALANGANDAから。
大書、全2巻の偉業。
完全受注生産ゆえ、中にはバーブ中嶋の名前の上に私の名前が。
まずこの愛らしい曲から弾き始めよう。