12月5日(火)は臨時休業いたします。
秋が去り冬になったばかりでまだ紅葉も残っている月初めの朝。今月5日に父親の23回忌の法要を営むこともあり、今朝は覚王山日泰寺近くに墓参に母と妻とそろってでかけた。
22年前はやはり重い気持ちですごした12月だった。来る2月にロロ・ピアーナ社イタリア本社に招待されていたのに我が事のように父は喜んでいた。12月のはじめ頃、がんを患って二年半だったが父は死期を悟ったのか何があっても1月のイタリア行きはキャンセルしないようにと病床で僕に言っていた。そして9日のまだ明けない頃、天国に召された。49日法要をやっと済ませ、年が明けた2月、成田からミラノに向かった。ミラノに夜着いて見たのは泊まったホテルの前の、ムッソリーニが作った巨大なミラノ中央駅とまだ今のように白く美しくなく黒くくすんだドゥオモ。テーラーたちとイタリアで過ごした10日間、自分が洋服について何も知らなかったことを悟り、深く洋服を知るためイタリア通いを誓った。ロロ・ピアーナ社の存在を教えてくれたのも父、洋服のことを教えてくれたのも父だった。あれがら22年が過ぎ、父の思いに応えてきたのかどうか、僕はわからない。
今日の桜通の銀杏の美しさったら。