今朝、9時にインターホンが鳴ったので外に出ると、運送会社のスタッフがロロピアーナ社から荷物が届いたと店の前に来ていた。おおきな段ボール箱が合計8箱、店の中に運び込まれた、これはすべてイタリアロロピアーナ社の素材でイタリアのピエモンテ州クアローナの工場からミラノマルペンサ空港を経由して空輸されたもの。そしてすべてこの秋冬の服地となる。先日はウインタータスマニアン150の反が大きい段ボール箱7箱で入荷したばかりなので合計15箱入荷したことになる。これらを開封する前に調べたらいま店にある秋冬のロロピアーナ素材はたった3着だった。昨年も今年と同じくらい買い付けたはずなのに99.9%売れてしまったということ。本当にありがたいことにこのように毎年ロロピアーナ素材は完売するのですこしずつ買い付けの量を増やして行った結果が今の大きい数量になった。 日本の一軒の洋服屋でロロピアーナの服地をこれだけ買い付けするのはチェーン店やデパートなどを除くとあまり無いと思う。
世界に毛織物会社は沢山あれどロロピアーナ社がその最高位に君臨している事はアパレル業界内でも認められている事。紳士服地の原料つまり羊毛の買い付けにおいて総帥ピエールルイジロロピアーナが陣頭指揮を執り
オーストラリア、ニュージーランドなどから他社が買い付けできないハイグレードな羊毛を、他社が買い付けできないほど大量に現地で直接買い付ける実力が有ることで明らかである。また買い付けたハイグレードな羊毛を自社工場で紡績つまり糸にして、自社工場で織り上げ、そして自社工場で整理つまりフィニッシングするという一貫生産で作り上げられている。ビエラの周辺に位置するロロピアーナの工場にはすべて足をはこんだがそのすべてで清潔な工場内で最新鋭の全自動織物機械が稼働していた。できあがった織物は世界の高級メゾン、高級ブランドに納入されている。イタリアの高級毛織物産地ビエラを行くと残念ながらビジネスにとりのこされ廃れてしまった毛織物工場の三角屋根を見ることもあるが、完全稼働しているロロピアーナの工場群の充実ぶりは特筆すべきである。

この飛び切り最高の、そして最新の服地をこのように豊富に買い付けできるということは良い物を愛好するお客さんに恵まれている幸福な洋服屋だとこの段ボール箱の山を観ながら実感する。これだけ買い付けるとコストがバンチサンプルから選ぶのと比較してずっとリーズナブルになるのは自明の理。いまから時間をかけてこの服地を整理しておそくとも9月1日にはみなさまにご紹介できると思う。いましばらくおまちくださいませ。
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