35年ぶりのクラス会がこの月曜日にあった。クラス会と言っても学校のではなく栄の丸善8階にあったラボという英語教室のクラス会。高校一年と高校二年の頃、男子高校の同級生、スガとクモンとその教室に通っていた。その教室は土曜の午後開かれていてほかの高校の女子も来ていた。教室では専用の英語練習機、通称ラボ機を使い英語を学び、英語劇をしたり英語の歌を覚えたりする楽しい内容だった。それも楽しかったがなにより男子高校の我々は女子とは縁がなかったのでラボ教室での女子との語らいはホントに貴重だった。当時は今と違って高校生でもウブなもの。せいぜいグループでお茶を飲んでお話しする程度。希にカップルができたとして、つきあうと言ってもせいぜい映画を見るくらいだった。そんな幸せなボーイズ&ガールズは高校卒業とともに別れ別れになってふたたび栄に集まったのが35年後のこの月曜日というわけ。一瞬のタイムラグですぐ昔の面影がよみがえりあのころと同じ声でおしゃべりを楽しんだ。どなたかがあの頃描いたクラスの寄せ書きのようなノートを持って来て見たところ「ぼくは今日16才になりました。田中」という書き込みがありそれを見たときにはその間のまるで折り重なった地層のようなな長い時間を思い絶句した。今も十分幸せだとは思うけどあのころの多幸感をつむじ風のように思い出した時間だった。