名古屋の栄地区を今歩くと洋服屋さん、靴屋さんのほとんどは休業しています。洋服は食べ物と違い、すぐじゃなくてもとりあえず良いのですが、「不要不急」と突然レッテルをつけられてしまいました。でも長い目で見れば洋服や靴は「幸せと直結」しています。コロナはいつか終わります。人々は手に手を取って互いの健康と再会を喜びあうでしょう。その時きっと洋服や靴など「装い」は輝きをとりもどすはずです。それまでがんばり続けなければなりません。

ゴールデンウイーク連休をからめたCOVID19対策休業が終わり、さて何をしようと考えていた時、当店のスーツをすべて仕立てている縫製工場から一枚のFAXが届きました。そこには「5/13以降から6月末まですべてのお客様のスーツに自社で縫製した布製マスクを無料で付けます。」とありました。素晴らしいことだなとちょっと嬉しくなって、当店でもなにか役に立つことは無いかと考えました。縫製工場は縫うことはしますが素材があるわけではありません。そこでマスクに使うコットン100%素材の調達のお手伝いができないかと考えを巡らせました。
思い出したのが私のブログにもときどき出てくる登山「隊長」モリカワ。彼は福井市内で手芸に使われるコットン素材を扱うお店「つばめや」を経営しています。2月半ば以降、コロナマスク用の素材のネット販売が忙しすぎ、体調を壊し一時入院したとも聞きました。登山で鍛えた体力があるためか早く回復してほっとしました。彼ならきっといい素材を扱っていると思い聞くと忙しい時期の中、なんとか手配をしてくれました。すこしでもお役に立ちたいという気持ちを込めてこの分の支払いは当店が負担してコットン素材を縫製工場に送りました。そうやって縫製工場と我が大切な友人といい協力ができてマスクは縫製工場から出来上がるすべてのスーツ、ジャケット、パンツのポケットに入れることができます。
マスクは市中でよく50個入り箱の販売を見るようになり、かなり足りてきましたがまだまだ行き届いていない人も多いと聞きます。ただほんの少しでもみなさまの健康管理にお役に立てば嬉しいという思いです。

モリカワがいいコットン100%ブロードとガーゼの素材を手配してくれました。
モリカワ経営つばめや店内
モリカワ隊長の勇姿。
縫製工場で丁寧に縫っています。
縫製工場からのメッセージも添えました。
いま縫製工場はほぼ日本全国のテーラーが休業しているので生産量は激減しています。しかしなんとかともに生き延びるよう努力をしていきます。