当店のブログをご愛読の方ならご存知だと思いますが紳士服地を反で買い付けると、買い付けた素材と織り上がって到着した素材に相違があってはいけないと「リファレンスサンプル」が届きます。日本語で参照見本、業界の中では省略して「リファレンス」とも言います。本日オーダーサロンタナカの秋冬スーツとして一番人気のあるロロピアーナ・ウインタータスマニアン150のリファレンスサンプルがイタリアロロピアーナ本社から届きました。

届いたリファレンスサンプル

ウインタータスマニアン150が世界最高のスーツ素材と言われる理由。

ウインタータスマニアン150はロロピアーナの代表的素材タスマニアンのファミリーです。しかしファミリーと言ってもタスマニアンとはかなり性格は違う素材で、スーパー150グレードの細番手羊毛を96番手の糸を使う点は同じではありますが1mあたり250g/mのオーソドックスなツイル(綾織)であるタスマニアンに比べ、同じ細い糸で厚くしっかりした340g/mの素材にするため4ハーネスという手の込んだ緻密な織り方になっています。この証としてオモテとウラの柄が変わります。下の画像のようにチェック柄ですと顕著にわかります。また世の中にはスーパー150sと表示された服地は数多く存在しますが1mあたり340gを超えるスーパー150sのウーステッドはウインタータスマニアン以外あまり見たことはありません。スーパー150s羊毛は原毛のコストが高いからメーカーにはなるべく使用量を抑えようとするマインドが働くのかもしれません。そして興味深いことにはロロピアーナのタスマニアンとウインタータスマニアンの服地の価格はウインタータスマニアンのほうが少々高いくらいで大きくは変わりません。想像するにウインタータスマニアンの価格は本来よりかなり抑えめに設定されているのではないでしょうか。
またスーパー
150`sを超える170,190等々の素材は柔らかいですがビジネス用にはつらつと着ていただくには繊細すぎるかもしれません。
きっちり密に織ってあるからしっかりしていてそして柔らかいロロピアーナのウインタータスマニアン150は世界最高のスーツ素材と考えています。

表がグレーグレンチェックですが
ウラはこんな感じ、通常の綾織なら裏表だいたい同じですから複雑な繊維組織で密に織り上げています。

反で5種買付けて、価格はほぼ据え置き。8/25には届きます。

反で下の画像の5種類買い付けました。イタリア・ピエモンテ州クアローナにあるロロピアーナの工場から8月25日には航空便で届き、オーダーいただけるはずです。価格は昨年とほぼ同じオーダースーツ価格89,800円(税込)です。もちろん本バス毛芯仕立て、水牛ボタン、キュプラ100%裏地、世界最高モデリスタ柴山登光先生の作成した型紙ですので美しいシルエットで仕立て上がります。
リファレンスサンプルはご希望の方は当店店頭でご覧くださいませ。リファレンスサンプルとお申し付けくださいませ。

上.ダークネイビー無地 下.チャコールグレー無地
グレーグレンチェック
ダークアイアンブルー無地
ブルーブラックシャドー