木曜日は渋谷のホテルに泊まった。ホテルに帰る途で岡本太郎の大作「明日の神話」を見た。東京の人は当たり前かもしれないが一目見ただけでぼくは絵の前でしばし呆然としてしまった。岡本太郎は描いた線が力強くぐっとくるものがある。ぼくが小学校5年の時大阪万国博が開催されそこでのヒーローは太陽の塔を作った岡本太郎であり、メタボリスム建築で世間を驚かせた黒川紀章であり大会を成功させた石坂泰三だった。陽気な顔をおもてに持つ太陽の塔の裏面に黒い太陽の顔を見つけた時心がえぐられるように驚いた。岡本太郎は現在の栄三越の前身オリエンタル中村の大壁画も作ったし犬山遊園など名古屋でもいくつかの作品を手がけた。ルネッサンスのときにはラファエロが旗手だったように僕らの時代は間違いなく岡本太郎の時代だった。岡本太郎が死んで久しい。彼のパワーはもう遺跡になってしまったかとも思われたがこの巨大な絵は彼の情念を未だに強く発している気がした。 ルーブルに収まっているルーベンスの大作というよりは渋谷の新しい駅構内の構造が似ているせいかシスティーナの四角い空間から強いオーラを発しているミケランジェロ最後の審判をすこし思い出した。
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なんだこの妖気は。この場所に設置した英断に感謝。

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こんな絵ってなかなか無いと思うよ。