昨日の朝、宅急便で富士宮に住む友人から新茶が届いた。大学のとき寮で同じ部屋だった一つ下の友人でこの時期になると毎年欠かさず贈ってくれる。

わたしは一浪で柏市にある外語系大学に入学し体育系クラブに入り友達はできたもののなかなか大学になじめなかった。そこは当時珍しい全寮制大学で付属高校もありそこから持ち上がってきた人たちはすんなりなじめたが普通に大学から入学したものにとっていきなり他人と同じ部屋で生活するのは強い違和感があった。彼も同じく一浪で入学して大学に違和感を感じていた口だったが勉強熱心で毎日部屋に帰ると英単語を覚えていた。わたしは彼ほど勤勉ではなかったが大学図書館で図書館員としてバイトしながら本を読んだりしてなんとか大学生としての知的レベルを保とうともがいてはいた。なんとなく気が合って食事もいっしょにしたり部屋で彼といろいろ語りあうのも楽しく彼のおかげでいい大学時代を送ることができた。その後彼は地元で英語教師の道に進みぼくは洋服屋になり考えてみたら30年過ぎたわけだ。

新茶をいただいたので夕食のあと彼にお礼の電話をしたがなかなかつながらない。遅くまで働いているんだなと思いながら、あ、ひょっとするとと思いブラウザに彼の名前を入力し検索をかけると彼の名前の後ろに「校長」と出てきた。ウェブサイトには今年から空気のいい美しい土地の小さな公立中学校の校長先生になったと載っていた。誠実な彼のことだから当然のことではあるが初夏の嬉しいニュースである。夜の10時を過ぎて電話もつながり元気な彼の声を聞いて若い頃のことを懐かしむ事ができた。校長職は激務だがやりがいのある仕事、ぜひ楽しんでほしいと思いを伝えた。