わたしはいままでエコノミー料金しか払ったことはない。でも幸いに何度か席がアップグレードされた。いいスーツかジャケットを着てネクタイを締めてでチェックインするからだと信じているがほんとうのところはどうだかわからない。今回もすこしお金は払ったがビジネスとエコノミーの間の席、プレミアムエコノミーにアップグレードできた。以前JALのプレミアムエコノミーに何度か乗ったことがあるがブリティッシュエアーのほうがどっしり座り心地がよく一昔前のビジネスクラスのようだ。おかげでほぼ半日12時間の長いフライトも短く感じる。でもこれは本当に乗り心地のせいなのか。最近ほんとうに毎日の時間が飛ぶように早く過ぎていく。カチカチ、カチカチ、時計の短針の動きが見えるような気がするほど。妻に言ったらそれは歳をとったせいだという。飛行機の中の時間が短く感じるのもじつは慣れたのではなくて残念ながら歳のせいかもしれない。以前は飛行機のなかで映画を見るのを楽しみにしていた。最近はエコノミーでも座席の前にモニタがついていることが多くて自分で好きそうな映画を選べる。でも昨年くらいからがんばって映画館で見るようにしているので座席の小さいモニターではぜんぜん楽しめない。贅沢になってしまったと思う。映画で思い出したが映画館で映画が終わってエンドロールって最後まで見なくてはいけないのか。わたしはせっかちなのかどうしてもエンドロールを見ずに席を立ってしまう。多くのお客さんはエンドロールをずっと見ているがなんかあの時間がもったいない気がするのだ。(ここまでヒースローまであと2時間のところで。)
ヒースロー空港で
空港にはその空港のにおいがある。ミラノの空港、マルペンサに着き、慣れたイタリア語を聞くとこころのどこかでほっとしながら身体のどっこかでスリなどに対するセキュリティレベルを高める。マルペンサから街の真ん中まではタクシーだと100ユーロ、バスなら10ユーロ。バスの乗り場はホテルの近くなので80ユーロ節約するためバスにする。バスはすわれたが若者、老人、ターバンを巻いた人など50人以上乗って満員でいろいろな国の言葉が聞こえる。しかし日本を出てから24時間になろうとするので眠さのピーク。気がついたら目的地であるミラノ中央駅に着いた。ホテルのチェックインを澄ませお腹すいたかどうかもよくわからないまま行きつけのレストラン、アルトパッッショに歩いてでかける。午後十時だったが笑顔で入れてくれる。まずヴィーノデラカーザロッソとガス入りの水、カプレーゼと手打ちパスタにミラノ風カツレツいつもの味だがそれがいちばん和む。明日はすぐに起きて電車でフィレンツェに向う。(ここまでミラノ中央駅近くのホテル ミケランジェロにて)
中央駅はまるでカトリックの大聖堂。何度来ても心が動く。
いまは、赤い矢のイタリア語Freccia rosaというフィレンツェ行きの特急列車に乗ってこのブログに写真を入れたり作業している。電源も使えるし便利この上ない。ただ車窓をながめる楽しみは失われる。
「記録」をするという行為は後の楽しみにはなる。でも間違いなく「現在の楽しみ」は減殺される。ほんとうは徒手空拳で旅をするのがこれからの一番の贅沢かもしれない。 今はイタリアの穀倉地帯、ポー平野の景色がボローニャまでつづく。それからフィレンツェまではイタリア半島の背骨、アペニン山脈を越える山の風景がつづく。トスカーナに入るとなだらかな緑の丘に糸杉が揺れる世界のひとびとを魅了する風景になる。こんな風景をなんどもみられるのは幸せだと思う。フィレンツェについたら仕事が待っている。電車のなかはそれまでの息抜きの時間となっている。(フィレンツェへの電車から)
こんな景色がボローニャまで続く。
いまフィレンツェサンラマリアノヴェッラ駅前ののホテルバリオーニから書いている。 ここはルネッサンス期にできたホテルでとてもクラシックな内装の上、最高のロケーションで気に入っている。いまWiFi環境も素晴らしく部屋ですぐ接続できた。ありがたいことこの上なし。
クラシックな内装のアルベルゴ バリオーニ