フィレンツェにつくと旅の最大目的のピッティウォモが待っている。この秋冬どんな洋服を目指すかを知るために行く。ピッティと聞くとフィレンツェに行ったことある方なら15世紀、メディチ家のライバルであったルカ・ピッティによって築かれた華麗なルネッサンス様式の宮殿、ピッティ宮殿を思い出すかもしれないが残念ながらそこで開催される訳ではない。
毎年、ピッティウォモがあるのはフィレンツェ駅から歩いて5分のところにあるバッソ要塞つまり中世、フィレンツェがイタリアの一部ではなくフィレンツェ共和国だったころ築かれた、日本なら平城(ひらじろ)ともいえる軍事要塞でずっと開かれている。名古屋城の中にある愛知県体育館がとてもピッティウォモの会場に似ている。会場の門もれんが造りで重々しい。入り口にはツーリストの入る場所ではありません、と書かれている。そうなのだ。男のファッションに関わるあらゆるすべてのブランドの集散地ともいえる。誰でも当然ブースを構えることができるがルイヴィトン、エルメス、など直営店しかない店はまずピッティには出してこないので専門店で扱うブランドがほとんど。ブランドを立ち上げ、ピッティウォモでブースを開設し世に問う。どんな独自性、特殊性があるか、そこ未来があるのかをバイヤーたちが判断しブランドを評価する。セレクトショップのバイヤーが集まるのもそのためだ。イタリア人、ヨーロッパ人、最近はインド人バイヤーも現れる。中国人達もいかにも旬なスーツを着ておしゃれも洗練してきたがまだ髪型の研究が甘い。しかし私もこのあらゆるメンズウェアの大会ならぬ大海をまえにして私の店の来年を決めて行かなければならない。まず、クラシックスタイルが集まっている一番奥の一番大きな建物を目指す。まずここに入っているブランドの今年の表情を俯瞰することにしている。行く途中にボリオリの巨大なブースが。やはり人気のあるブランドはブースもでかい。ブースに集まる人の多さもそのブランドに対する支持の大きさを表す。(ここまでフィレンツェのホテルの中で。写真も文章であとで変えたり修正したりします。またのぞいてください。)
雨のフィレンツェ。濡れた舗道が街の美しさをさらに美しくする。
中世の門をくぐるとそこはメンズファッションの世界
古い本を模した建物のデコレーション。イタリアはこの技術が発達している。