パンツはスーツスタイルの基本
スーツはジャケットとパンツで成り立っています。テーラーはともすると上着を美しく仕立てることに重きをおき、パンツを二の次にする傾向にあります。しかしスーツスタイルはパンツのかたち・ラインの美しさ・適正な長さが「基礎」になり美しさが決まって行きます。いくらシワ一つない完璧な上着を着ていても、パンツが長過ぎて靴のところでたるみが多く出ていたらスーツスタイルは台無しとなってしまいます。パンツ少し長めだと足が長く見えるという「誤解」がありましたのでこういうスタイルを今でも良く見かけます。スリムで美しいスーツスタイルを目指すならまずパンツの丈を見直してください。これはオーダーだけでなく既製品を買う場合にも通用しますのでスーツを買う際、パンツの長さのフィッティングは長過ぎないよう注意を払ってみてください。でもここでちょっとオーダーの優位性を言うならば、長さだけでなくスソ巾、ダブルの巾の指定が出来るのでよりすっきりみえるのです。
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2013年1月ピッティウォモで見かけたスーツ姿

「スマートパンツ」にローライズモデル追加します。
当店のオーダーパンツは9年前、業界で初のノータック専用パンツ「スマートパンツ」として開発し、お客様にご好評をいただいております。当時スリムと思われていた「スマートパンツ」でしたが現在はパンツのスリム化はさらに進んでこの冬のピッティウォモで見られるようにどんどん細くそしてブレイクの少なめの短めのパンツが主流となっています。今回「スマートパンツ」ヴァージョンアップとしていままでより股上が浅いローライズモデルを追加いたしました。ローライズモデルは日本最高のモデリスト柴山登光氏がローライズ専用設計で新たにパタンを製作いたしました。
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2013年1月ピッティウォモで見かけたスーツ姿 パンツの細さに注目

ローライズモデルといままでの「スマートパンツ」との違い
たとえば46パタンですと24.6から23.1と1.5cm浅くなりました。わずか1.5cmと思われるかもしれませんが股上は0.5cm変えても体感的には差がある部分。ローライズを前提にして新たに日本最高のモデリスト柴山登光氏が専用設計したパンツなのでラインの美しさ、動きやすさが違います。両者のパタンを型紙で比較しますと腰のラインがローライズモデルの方が直線的になっています。また渡りからひざまでよりカーブを強めたラインを描いています。そのためお尻のうしろがよりスッキリしています。 ディテールにつきまして
ローライズモデルは「スマートパンツ」のディテール同様、腹を引き締めるパンチェリーナの効果をもつ内側の2つのボタン、腰とのなじみをよくする後ろ身Vカット、ベルトを安定させるバックルループなど高級なパンツに必須のディテールもいままでどおり装備しております。
ローライズモデルの着用した状態がよくわかる着用ゲージは近日中に完成の予定です。
ことしの春夏はパンツ用素材を特に重点的にコレクションいたしました。ロロピアーナスーパーサマー120、カノニコ110&120、エルメネジルドゼニアクールエフェクトなど各種取り揃えております。御幸毛織につきましては近日中にウール100%のウォッシャブルパンツを開発しており、近日中にご紹介する予定です。
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ローライズモデル試作品を一番近い体型の方にきていただきました。 
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前からみた試作品の状態
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後ろからみた試作品