伊勢神宮御白石持神事に来るため別々に二人の友達が名古屋に立ち寄った。ひとりは佐賀からグループでそしてひとりは北海道から。佐賀の友達は大学時代、同じ部屋だった先輩で9時にお腹をすかして名古屋の東新町に着いたためどこかで飲もうということになった。せっかく来たのだから美味しい店でもお連れしようと思ったけれど日曜日だったからどこもやっていない。ホテルの裏にやまちゃんがあったので連れて行った。やまちゃんは若い頃、めちゃめちゃ安いのでよく行った。そのころは髪の毛がグリーンやパープルに染めたヴィジュアル系くずれのロックンローラーがかならずいて殺伐とした店だった。その後、ロッカー禁止という看板がでた。もうここ15年ほとんど行く事はなかったがひさしぶりにいったらやっぱりちょっとルーズな居酒屋。有名な手羽先も悪くはないが五條とかきんぼしの美味しい手羽先を食べ慣れていると今一歩の味。これが名古屋を代表する居酒屋といわれるとちょっとなあと思ってしまう。佐賀からきたグループなのでそこそこ喜んでくれたようだが日曜日でなければもうすこし気の利いた店にお連れするのにと忸怩たる思い。たとえば伏見大甚本店は名古屋が誇る120年続く名居酒屋でここなら、これが名古屋の味だと胸を張って言える。使われている食材も毎日大将がスーパーカブに乗って柳橋市場で仕入れている伊勢湾でとれたもの中心で味付けも極めて名古屋風。べつにシロノワールとかひつまぶしとかアイディア勝負の料理はなにひとつない。名古屋の家庭の食卓で出されるものばかりを小皿にとりわけ木のおおきいテーブルにならべてある。ああこれを書いていて大甚本店に行きたくなった。
佐賀の先輩
ひとりは女房の北海道に住む親友で彼女が来るのは当家のこの夏のメインイベントだった。夜遅く到着したけど結局2時過ぎまで話が尽きなかったようだ。今朝自宅で朝食をすましてまず家から歩いてすぐの日銀名古屋支店の裏にあるお茶屋さん升半で抹茶ソフトを食べに行く。唇が触れるとすっと溶け抹茶の味がひろがりテイストはきわめてスムース&まろやか。わたしが子供の頃からあるソフトクリームでぽっと出の味でなく、これはまちがいなく名古屋の夏の味だと思う。またお茶屋さんの片隅でソフトクリームをほうばるというシチュエーションが良い。ぼっと抹茶の値段表を眺め、千代昔が一番高いのか、人気のあるのは初昔かなあなどと抹茶のグレードについて思いをめぐらせる。そのあとはぼくは仕事に戻り女房と友達は女同志買い物にラシックまで出かけて行った。
升半の抹茶ソフトクリーム