朝5時に起きてヘルシンキ駅前ホテルソコスヴァークナの窓を見ると雨が降っていた。いそいで身支度をして目の前のヘルシンキ中央駅でロシア行きの列車アレッグロのプラットホームを探す。アレッグロの車体にはサンクトペテルブルグ行きだということが明示してあり指定の席に着く。それがロシアへの旅の始まり。所要時間3時間半、飛行機と違い市内から離れた空港に行く訳でなく今回は駅とホテルは所要時間1分。列車はせいぜい1分前に行けば良い。飛行機と違い座席も広く通路も歩けるのでその3時間半は楽なもの、フィンランドとロシア、時差が1時間あり6時12分にでて10時48分に着く。フィンランド国内の車窓は森につぐ森。人の住む気配を感じない。2時間ほど走るとロシア国境に。ロシアに入ってはじめての駅で軍服を着た女性係官を見かけ車窓から写真をとったら恐ろしい形相でわたしの方を指差して何か言っている。や、やっぱりまずいのか列車から引きずりおろされるのかと思ったがどうやら私の乗った列車車両のどこかに問題があったらしく指差しは車体の方だった。ほっ。入国管理官が乗り込みこれまた女性の係官三人がかりでパスポートコントロール。写真が偽造かどうかルーペで見る念の入りようだった。でもぼくはロシア専門の旅行会社プロコエアサービスに勤める大学時代からの友人タカシがロシアのVISAを正規で取ってくれたので安心してエンタテイメントとしてパスポートコントロールを楽しんだ。そしてしばらく走るとサンクトペテルブルグ、フィンランド駅(目的地の名前が駅名になっている。)に着く。ロシア、この駅につくまえ僕は54年生きてこの国のことはロシアというカタカナ3つの文字以外全く知らなかったと言っていい。サンクトペテルブルグの街に立つとロシアのいままでのイメージが消え去りそれがリアルな現実となって私の前に迫ってきた。ロマノフ王朝、ロシア革命、レニングラード攻防戦、ソ連崩壊などこの街を知るには学ぶことが多すぎる。でもここの滞在時間はわずか2泊3日。とにかくできるだけ多くのことを見聞きしロシアを肌で感じることにしよう。そして帰国してからまた勉強しようと腹をくくった。
いつも私たちは個人旅行で今回もそうしたがロシア語は全く分からないし、西欧の街とあまり変わらないサンクトペテルブルグとはいえ英語はなかなか通じないということで、とガイドさんを手配して駅に迎えにきてもらった。さあサンクトペテルブルグは晴れだ。気分もあがる。
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フィンランドからサンクトペテルブルグまで3時間半の特急アレッグロ 
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朝6時12分発のためホテルで食事はできず、ヘルシンキ駅でサンドイッチとコーヒーを買って車内で多朝食。
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フィンランド、ロシア国境
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ロシアを走るとすぐこんな美しい光景が。
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軍服の女性。
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サンクトペテルブルグに着くとお天気は最高。