昨日は東京、三田、イタリア大使館にてヴィターレ・バルベリス・カノニコ社のパーティーがあり幸いにも招待を受けて出席した。旧松平家屋敷跡に建てられたイタリアンモダンな建物に多くのモード関係者、メンズファッション雑誌で顔を知られた方々が一堂に会した。

カノニコ社といえば良品をリーズナブルな価格で提供するメーカーとして知られている。しかし、ここで誤解をしてはいけないのは価格がリーズナブルだとはいえ決してセカンドラインではない。カノニコ社はイタリア国内同業他社と比較しても財務内容が極めて良好な会社であることがリーズナブルなプライスの唯一の理由。スーパー110's、フランネルなど極めて正統な紳士服地を毎年安定供給している。本年は750万m製造したとのこと。1663年創業の世界最古の毛織物会社であり、かつ、創業者一族がいまだにトップに君臨し入会資格が厳格なエノキアン協会に所属の極めて正統、「クラシック」なメーカーである。

この日はイタリアが誇る偉大なサルト界のマエストロ、ミラノのフランコプリンツィバリ、ナポリのアントニオパニコそしてフィレンツェのアントニオリベラーノの三人がパネルディスカッションをしてカノニコの素材がいかにテーラーにとって良質かを説いた。そしてカノニコの素材を使いスーツを仕立て、そのサルトの技法を日本のテーラー、モード関係者の前で実際に披露した。これを映画界にたとえるとルーカスとコッポラとスピルバーグが同じ題材でメガホンを取るようなものである。そんな三人の師を日本のイタリア大使館で同席させたカノニコ社の力量には感服するばかり。これがヴィターレ・バルベリス・カノニコ社が極めて正統である証明にほかならない。そして大使館の宴はいままで出席した業界のパーティとしては最高にエレガントなパーティのひとつでした。

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左から フランコ・プリンツィヴァリ、アントニオ・リヴェラーノ、アントニオ・パニコ この三人によるパネルディスカッション。ワークショップが行われた。
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ヴィターレ・バルベリス・カノニコ社CEO アレッサンドロ・バルベリスの挨拶
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フランコ・プリンツィバリ師と
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レッドストライプがはいったカノニコ社素材を使ったフランコ・プリンツィバリ作品
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フィレンツェのお店をお会いした時と全く変わらないアントニオ・リヴェラーノ師
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アントニオ・リヴェラーノ師制作カノニコ社フランネルウィンドペンを使ったダブルブレスト。ラペルにフィレンツェが香る。
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アントニオ・リヴェラーノ師仮縫い中ジャッカ。仮縫いのことをセコンドプローバというそう。
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アントニオ・パニコ師と
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アントニオ・パニコ師制作、カノニコ素材使用のスーツ。
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イタリア大使館の壁を飾るイタリアの偉大な彫刻家アルナルド・ポモドーロ作品
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きーちゃんとなぜかピッティでいつも会うブルーノランディ氏
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ヴィターレ・バルベリス・カノニコ社のアンバサダー 長谷川喜美さん
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宴の料理
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宴の料理のハイライト。トリュフをたっぷりかけたリゾット。