9月もみそか。10月秋深まる頃。

去る1月、ピッティイマジネウォモにて、ステファノビジとロッシでネクタイを買い付けてそれがこの8月入荷しました。梱包されたネクタイを見てどうやって展示したらいいか考え、ネクタイをストックする箱を仕立てたらと考えました。ウェブサイトで調べたら賞状を入れたりするしっかりしたペーパーファイバーのことをバルカナイズドファイバー、もしくはパスコと言うことを知りました。便利な世の中になったものです。見つけたウェブサイトは新潟の安達紙器工業さんで、材料、形状、色、cmを指定してオーダーメイドでパスコで箱を作れることもわかり、ウェブを通してオーダー。2週間で出来上がった箱はとても満足の行くものでした。そんなことをしながら、あらためてオーダーメイドというのは本当に楽しい「エクスペリエンス」だと再確認しました。
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色はブラウンをえらび、サイズもばっちりで棚にもキレイに入ります。

2,3日前、常連のお客さまから同僚の方を紹介いただきスーツをオーダー賜りました。その方は背広はいつもロードサイド店で適当な値段の既製品スーツをみつくろい3年ほど着ては買い換えるものだと考えていただそうです。連れていただいたお客さまが服地について語り合ったり、楽しげに店内でネクタイやチーフを吟味するのをみて、そのスーツへの思いにカルチャーショックを覚えたとおっしゃっていました。その方にはヴィターレ・バルベリス・カノニコ社「PERENNIAL」のグレーのシャークスキン無地をおすすめしました。穏やかでジェントルマンの雰囲気が香るいい素材です。ロードサイド店で買うお値段とそう大きくは変わらないのに、お好みを聞きながらサイジングを施し裏地、水牛ボタンを選びディテールを選ぶというオーダーメイドの作法に、そのお客さまは新しい経験をしてたいそう喜ばれたご様子でした。

スーツはできれば着たくないけどクールビスの季節がおわれば着なくてはいけないからしょうがなく着ているという方も多数いらっしゃいます。またそれとは別に季節に合わせてスーツを装うことに喜びを感じるお客さまも多くそんなスーツラヴァーが全国各地から多くご来店されます。男は仕事第一、着るものなどどちらでも良いという男らしい考えの方もおおいですが、クラシックなスーツを着る楽しみを「オーダーメイドのエクスペリエンス」を通して知っていただきたいという思いで洋服屋を続けています。