先日、当店が扱うすべてのスーツ、ジャケット、パンツの縫製をお願いしている縫製工場に訪問した。いりくんだ入江が望める風光明媚な地に建つこの縫製工場は手縫いの職人さんが減って困っているテーラーさんをサポートする目的で約30数年前設立された。それゆえハンドメイドと近づけるため毛芯縫製専門工場となっている。昨今その本バス毛芯仕立て立体感のあるクオリティに消費者のみなさまの注目が集まって、結果たくさんの仕事が工場に集まり働く技術者のみなさんも忙しそうに働いている。
縫製工場というのはむずかしいビジネスで、ミスは許されない上、仕事が少ないと財務に問題が生じるだけでなく仕事が多くなってくると納期を間に合わせるため人手不足の問題にもなる。

近くで立ち寄ったスーパーでレジのスタッフと雑談をしている中で、ぼくがやっている店はすべてこの工場で縫製をやってもらっているんだよと話したら、あそこの工場はいま忙しいしすごくいい工場なんだと話題になっているそうだ。そういう地元の評価はとてもうれしい。この工場はここではたらく人たちに無理な働き方を強いているとそういう評価は生まれない。工場内で何人かのスタッフの人と打ち合わせをしたがみんな自信に満ちた表情だったことが印象的。

設立以来長くこの工場に仕事をお願いしてきたことはほんとうに幸せなことだと思っているしこれからもずっと当店のスーツ・ジャケットはここが仕立てていきます。
お客さまに感謝、縫製工場に感謝。

芯据えのプロセス
 熟練の技術を持つスタッフがこの工場を支えています。この工場の一番大事な工程、毛芯を服地に縫い付ける「芯据え」のプロセスをご紹介いたします。
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裁断した上着の前身に毛芯を重ねて十分湿度を均質に与える。
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軽くプレスする。
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密閉した箱のなかで一定の時間エイジングして、湿度をなじませる。
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毛芯を縫いつける前にシツケミシンを打ってずれないように安定させる。シツケミシンもただ縫うだけでなくバーツによって余裕の付け具合を変える高度な技術を使う。
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一台500万以上するドイツ製ミシンで毛芯と前身を縫い付ける。