この水木は東京出張に連休を絡め、東京で学ぶ娘と合流し、東京発でどこかへ足を伸ばそうと群馬水上温泉に出かけた。午前中に商談をひとつすませて東京駅から上越新幹線で1時間余り、雪化粧の上毛高原駅に着く。そこからバスで今日の宿、水上温泉松乃井まで15分。

宿から坂を登ったところに出身大学の創始者廣池千九郎が開いた温泉がある谷川記念館があり久しぶりに立ち寄る。廣池千九郎は長い勉学生活で体温維持が難しい大病になり、温泉治療が欠かせない身体になった。日本全国の温泉を巡って行き着いた谷川温泉の泉質の良さに驚き、金銭的にも無理もして谷川温泉の土地を入手、その後温泉宿泊施設と講堂が整備された。
約40年ぶりの再訪、浴場では廣池千九郎考案の独特のひとりずつ区切られた木造湯船でぬるい湯、あつい湯を交互にゆっくり入る。大学の頃、電車やバスに長い時間揺られオリエンテーションや合宿で3度も行った。それなのにイヤイヤ行っていたからその意味も温泉の価値も愚かにもまったく分からなかった。本当に若い頃はバカでした。還暦近くになりその湯の包み込むような柔らかさを味わい谷川温泉の素晴らしさに改めて感激する。峻険な谷川岳に近い奥深い地に人びとの健康回復を願い湯船を築いた廣池千九郎の偉業に思いを馳せたひとときでした。
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記念館前でパチリ

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ひとりひとり区切られた木造りの湯船 

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まわりは雪深い地。