旅もそろそろ終わり。ヴェネツィアメストレ駅を発ち、ミラノ中央駅に夜9時に着く特急に乗ってこれを書き始める。

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フレッチャロッサの車窓から

犯罪者を中国に送ることに反対する香港の大規模なデモはイタリアでも毎日テレビのニュースや新聞で大きな注目を集め報道されている。一国二制度でかろうじて自由社会だった香港がこの制度が決まると中国共産党による統制社会になし崩し的に変わると香港人100万人は立ち上がった。大きなストリートに人が溢れる映像を見ると当局発表の12万人などではないのは明らか。中国共産党のやり方を知っている香港人は遺書を書いてこのデモに参加しているという。心配でイタリアでニュースなど情報を集めている。今日の時点で逃亡犯条例改正延期の発表があったようで一安心。まだまだ安心は出来ないが香港人にとって良い方向に向かうことを祈っている。

香港が英国の頃、紳士服地問屋がいくつかあってフィンテックス、モクソンなど高級服地を香港経由で買付けるため何度か香港に出かけた。ビルの間を抜けて航空機は啓徳空港に着陸していた。取引先のチャンさんと当時船で渡って海鮮料理を食べに行くレイユウムンに何度も行った。彼は香港が中国に返還後は自由が無くなるのでカナダに移住すると言っていた。今頃どうしているだろう。

いま大陸は経済発展を謳歌している。しかし21世紀になっても民主主義が実現せず共産党の一党支配。党に都合の悪いネット情報は遮断され、実際に見たわけではないが街には至る所に監視カメラがあるという。我々の住む日本は言論の自由が完全に保障されて、ネットで政府の悪口を書いてもどこかに連行されることもない。公正な選挙で議員を選び、行政立法司法の三権は分立している。これは先人達の努力のたまもの。日本のパスポートに守られながら日本から離れるとそれが当たり前ではないことが見えてくる。離れて自国のありがたみを知るのも旅の良さである。

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夜のミラノの街
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DUOMO 


ここまで書いてきて帰国のフライト時間も近づいて来た。また写真を整理してピッティの報告を続けます。