夏至の日、午前五時にはもう明るい。家を出る前はいつも検温。今日も体温3.6.4度。我が身体の健康に感謝する朝でした。
開店前に店の前に置かれた大きなAmazonからのダンボールの荷物、宛先は妻。妻に聞いたら心当たりがない、娘も知らないという。昨今の中華からの謎の送りつけじゃないかと心配しました。
娘はひょっとしたらお兄ちゃんからじゃないかなといったら中にリボンがかかった大きなネイビーの袋がありました。開封すると「酔鯨」の一升瓶。酔鯨といえば高知の銘酒でこれは特別純米酒とり精米歩合55%で高級な仕様のようです。ベトナムに駐在している我が息子が「父の日」に贈ってくれました。
父としてこんなものをもらったのは初めてかもしれません。突然のことで思わず感動してしまいました。今はベトナムへもすぐLINEで電話が繋がります。ありがとう。といったらどうもというぶっきらぼうな声、どうしてこのお酒「酔鯨」を選んだのと聞くと、照れ隠しなんでしょう、なんとなくとのそっけない言葉。それはそれで気持ちは十分伝わります。異国の地で元気に過ごしていてくれるだけで十分に幸せな父親です。
まだ息子が小学校5年のとき父子二人でボストンとニューヨークに行きました。ちょうど9.11の1年前。国際貿易センターもマンハッタンの先っぽにすっくと2本立っていた時代。旅の第一日目、ボストンの海岸に建つマリオットに泊まり、目の前のボストン水族館に行きました。そこからクジラを見るツアーが出ていて、早速参加。水族館から速度の早い船で1時間近く直線的に沖に向かいました。きっとレーダーかなにかで見ていたのでしょう、大西洋の沖のクジラのいるポイントに着きました。そしてしばらくするとクジラは海の神の如く高貴な存在として姿を現しました。まわりにゆったりと戯れるように泳ぐ10頭ほどのザトウクジラに囲まれるという神秘的な経験をしました。潮を吹くクジラもいたし、勇壮に尾を海面に叩きつけるクジラも見ました。いまも私の部屋の戸棚に飾ってあるその時のパンフレットを見ると思い出が蘇ってきます。
「酔鯨」との銘柄から、その日のことをベトナムに住む息子はおもいだしたのかもしれません。ただあえて確かめるのはやめておきましょう。