11月3日(木)文化の日は営業いたします。
11月3日、文化の日は木曜ですが、臨時営業いたします。ご来店こころからお待ち申し上げております。
メキシコについての2枚の版画
いまオーダーサロンタナカのショーウインドウにルフィーノ・タマヨ作「白い人」という版画を飾っています。ルフィーノ・タマヨは1899年8月26日生 1991年6月24日没のメキシコの著名なアーティスト。まるで油絵のような質感がありますが版画なのです。この独特のテクスチャが彼が創始したミクソグラフィアという版画技法だと言われています。そして当家の入り口には日本の版画家、斎藤清のメキシコでのデッサンをもとにした版画「メキシコ」を飾りました。ちょっとしたメキシコ気分。
わたしはメキシコに行ったことがありませんが我が家とメキシコとご縁があります。わたしの父の父、つまり祖父の兄弟たちは三重県の四日市近郊出身で当時、なかなか喰うのが大変だったのか戦前メキシコ、アメリカ国境の町ティファナに移住したファミリーヒストリーがあるのです。
太平洋戦争中は強制収容所に入れられたり苦労していましたが、戦後は娘二人は日本に帰して、ティファナの地でカサ・タナカつまりスペイン語で「タナカ屋」という雑貨店で商いをしていて貿易なども手掛けていました。わたしが子供だった昭和30年代?40年代は繁盛していたのでしょう、2,3年に一度は日本に帰ってきて当家に滞在していました。その際は箱ごとのチューインガム、マテルのおもちゃ、ポンチョ、ワニの剥製など当時日本で無かったものをお土産に持ってきてくれました。
日本語が妙になまって、時々イエースとかノーノーとかいう大叔父様たちをわたしはてっきり外人だと思いこんでいました。また大叔母はメキシコのママとよばれていて、鶏をダークブラウンのソースで煮込んだモレという料理、豆を塩で煮込んだものをトリテアと呼ばれる薄いパンでつつんだメキシコ料理を、当家に来るたびに作ってくれました。そして昭和40年代に祖父と祖母は大叔父、叔母の住むメキシコを訪ねる大旅行を当時多額のお金を費やし敢行したのでした。
そんなご縁のあるメキシコに一度は訪問したいものです。