サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドは1967年にリリースしたビートルズの名盤。この中で「When I,m sixty four」をポール・マッカートニーが歌ったのは彼が24、5歳のとき。わたしはそのとき9歳、歌っていたのはビートルズではなく舟木一夫「高校3年生」でした。

when I get older losing my hair
many years from now
Will you still me sending me a Valentine
Birthday greetings bottle of wine

長い年月が経って、ぼくがハゲの爺さんになっても
君はバレンタインチョコや誕生日カードやワインを贈ってくれるかな?

many years from nowとのことですがその多くの歳月はとっくに過ぎて、ポールは80を越え、わたしは今日でおかげさまでその64歳になりました。ありがたいことにまだ髪の毛はございます。短く刈っているので無いと勘違いしているかたもいらっしゃいますが。

ビートルズの音楽はいまも若い人を惹きつけて人気が衰えません。サージェント・ペパーズを最初に聞いたのは中3、1975年だったのでリリースのたった7年後とも言えます。当時、街のどこかの映画館で「ヤアヤアヤア」「ヘルプ」「LET IT BE」の3本立てを上映していました(版権の問題なのか上映しなくなった。)レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルなどハードロックやピンク・フロイド、キング・クリムゾン、ELPなどプログレ、Tレックス、デヴィッド・ボウイなどのグラムロックなど百花繚乱でビートルズのサウンドは分厚さに欠けて薄っぺらい感じがしていました。「ハイウェイスター」「胸いっぱいの愛」では衝撃を受けましたが、先輩達が「プリーズ・プリーズ・ミー」で衝撃を受けたというのがよく理解できませんでした。

ビートルズで最初に好きになったのはエリック・クラプトンも手伝っているロック調の曲「ホワイルマイギタージェントリーウイープス」です。それから名盤と言われていたのでサージェント・ペパーズも聞きましたが最初はピンと来ませんでした。でも名盤というのは最初ピンと来ないもので、同じようにザ・バンドの「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」も全然ピンと来ませんでした。ただ「名盤」というのは聞けば聞くほどスルメのように味わいがありどちらも何度聞いても楽しいアルバムです。

ペーソス風味の「When I,m sixty four」はギターで自分で弾いても面白いんです。ギターを弾きながら、サージェント・ペパーズ発売ちょっと後に日本で猛烈に流行ったフォーククルセイダーズの「帰ってきた酔っぱらい」は「When I,m sixty four」と同じコードだと気がついたときビートルズが日本のポップスに与えた影響を再認識しました。そういえば森高千里の「わたしがおばさんになっても」も発想は一緒ですね。