当店のすべてのスーツ、ジャケット、コートを設計し、監修している柴山登光先生が「現代の名工」に選ばれ、昨日、東京飯田橋ホテルエドモントで受賞記念パーティが行われました。開会の午後6時半アパレル業界のトップのそうそうたるメンバーが顔を揃え、会は始まりました。
祝辞はビームス設楽洋代表取締役、鎌倉シャツ貞方良雄会長。このふた方が祝辞を述べるということだけでもすごいことですがどちらも形どおりの挨拶ではなく柴山先生の技術の高みをめざす情熱を熱く讃える祝辞で感動しました。
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柴山登光先生「現代の名工」受賞おめでとうございます。
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設楽 洋 ビームスクリエイティブ代表取締役の祝辞
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貞方良雄 鎌倉シャツ会長の祝辞

当店と柴山先生とのご縁は20数年前、当店も縫製を担当している工場もいくつかの問題をかかえ岐路に立っている頃でした。そのころ前縫製指導者の死去に伴い当時の工場の代表、故浜田義信氏が柴山先生を技術指導者として招聘しました。はじめは型紙の提供だけでしたが、2年あまり経って、ナポリのスーツの分析をもとに本バス毛芯の設計、縫製手法の徹底指導を伴うパターンの新設計をして「サルトリア」と銘打った試作品をリリース。それを見た時、悩んでいた問題点がすべて解決されていました。以来19年にわたり、2度のアップデートを経ながら、当店のオーダースーツは本バス毛芯を使ったそのラインだけを使っています。

来場されたアパレルメーカー、有名セレクトショップ、デパートは柴山先生に直接指導を受けたところばかりで先生の卓越した仕事ぶりがわかります。そんななかで当店は地方の一テーラー、肩身が狭い気もしましたが、そんな縫製技術界のトップである柴山先生に20年間ずっと指導していただいていたことの幸運に改めて感謝しました。師についてついてきてよかった。

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柴山先生ご夫妻と
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お土産にいただいた柴山登光先生の新刊「モデリストが語る深イイ話」アパレル工業新聞社刊
共にロンドンに行ったときのことも書いてありちょっとうれしい。