10年くらい前、折りたたみ式自転車を買った。プジョーパシフィックのブランドマークがついているがブランドマークがついているだけですべてBD1だといっていい。数十秒で小さく折り畳める便利な自転車で軽くて結構スピードも出る。電車に乗せて大阪から神戸までこいだこともあるし知多八十八カ所の巡礼をしたこともある。ころんで大けがをしたこともある思い出の多い自転車。最近乗る事も無かったがこの日曜日、新緑がさわやかで自転車をこぎたい気持ちがわいて来てつもったホコリを払い、古いグリスを拭いてきれいにして乗ってみた。さすがにいつも乗っているママチャリとは違いスイスイ風を切って走って行く。だが栄をぐるっとまわって家に着く手前でハンドルがゆるゆるになっているのに気がついたので家でハンドル近くのボルトを締めてみた。しかしゆるんだハンドルは直らない。家のすぐちかくにあるピカピカの高級車の並んだ某大型店に直してもらおうと自転車を持って行ったら、店の前に「当店で買った自転車以外修理お断り」の張り紙がしてありどうしようかと一瞬頭の中が混乱した。でもしょうがないのでその店の前で、その店に入るお客さんに「おじさんどいてよ」などと迷惑がられながらもさらにいろいろとボルトをしめていたら今度はなんと部品が滑落した。ちから一杯締めたものだから部品が内部でちぎれて壊れたのだ。そこで目の前真っ暗になる。こうなったこの自転車はたぶん修理してもかなり代金も掛かり、もしかしたら修理不能かもしれないと瞬間的に鬱な気分になった。買った店はもうとっくの昔に閉店しているし普通の自転車屋では直らないだろう。そのとき自分のなかでは鉄くず同然と化したこの自転車と過ごした時間をおもうとどんどん気分が沈んで来た。家に自転車をひきずって帰りその自転車の卸元のウェブサイトなどをみて修理できそうなところを探していたら東区に自転車のプロショップ「ZUNOU TUBE」のことを思い出し電話をしてみることにした。電話にお出になったご主人に相談したら明日一度見せてくださいということになった。次の日、自転車を折り畳みクルマのトランクに乗せて「ZUNOU TUBE」に持って行くとご主人はちぎれた部品を見て、あ、これなら部品があるので今直りますよといっていただき、専用の修理用キャリアに乗せててぎわよく15分ほどで直していただいた。なんかとても嬉しくなってサドルとグリップ白いものに新調した。古いものを修理するのはとても楽しいもんだ。鉄くずになるかもしれない自転車が無事復活したので口笛でも吹いてスキップしたい気分になった。今朝早起きして名城公園のサイクリングコースを緑のにおいを一杯に吸い込みながらぐるぐる5周した。一生懸命こぐと時速30km出ることもある。これからもときどきこの自転車で走ってみよう。
ズノウチューブ ZUNOU TUBE 名古屋市東区泉1-18-26 柴田ビル1F TEL 052-973-3727 営業時間 平日 11:00~20:30 日・祝 11:00~19:00定休日 水曜、第3火曜
復活なった我が自転車