以前、ミュージカルは舞台の上で全員が歌いながらはつらつと踊るっていうのがなぜか性に合わない気がして苦手ジャンルだった。でもロンドンに行った際、クイーンを題材にしたロックミュージカル「WE WILL ROCK YOU」を見てから、その食わず嫌いから脱皮できて、ミュージカルを楽しめるようになってきた。ロンドンでは4000円程度の安いお値段で、当日のディスカウントチケットを買うノウハウを覚え、ロンドンの夜の楽しみはミュージカルであると決め込んで昨年も2日続けて見に行った。その時の一本がロンドンの中心ピカデリーサーカスにほど近いプリンスオブウインザーシアターでうたれていた「LET IT BE」だった。ビートルズについて芝居仕立てで見せるミュージカルだと思ったら、そうではなくそっくりさんがそっくりの演奏するライブだった。
リヴァプールで人気の四人グループがロンドンのここ
プリンスオブウインザーシアターではじめてライブを行うという設定ではじまり、初期のビートルズはマッシュルームカットにおそろいのユニフォーム、アメリカではNYシェイスタジアムで大群衆の前で演奏、そしてペッパー軍曹音楽隊の出で立ちでサージェントペッパーロンリーハーツクラブバンドの曲を演奏と、そっくりさんを見ているというより、もうすっかりビートルズイリュージョンとでもいうべき魔法がかかってしまいビートルズを見ている気分で大興奮したのを覚えている。

そのミュージカル「
LET IT BE」が先の木曜日、名古屋芸術文化センター大ホールに来た。またあのときの興奮を味わいたいと思ったし、じつはビートルズの音楽に少し興味をもっている高一の娘に見せてあげたかった。11月ポールマッカートニーの東京公演に行った時、ビートルズ世代ともいえる50代60代のおじさんおばさんに混じって若い世代の子を見かけた。ビートルズがポピュラー音楽の歴史に大革命を起こして以来、それ以降本質的革命は起こっていないとぼくは思っている。ということはまだ若い子の間でも十分その音楽が通用するということ。そんなことで大ホールに出かけたら名古屋の公演には50代60代70代ばかりで若い人は少なかった。前から15列目のなかなか良い席で見る事ができ、名古屋でもロンドンと全く同じの舞台装置とはつらつとした演奏を聞かせてくれて楽しかったが、娘と三人で楽しむ事ができたのが実は一番楽しい事だったかもしれない。娘にどれが一番よかったって聞いたらホワイルマイギタージェントリーウィープスだったそうだ。それはぼくが若い頃一番最初にビートルズで気に入った曲でもあった。
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芸文センターは初老の男女でいっぱい。ビートルズ世代は今はこんなかんじ。
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ロンドン公演とほとんど同じだったのがうれしい。これはロンドンでこっそり撮りました。シェイスタジアムでの演奏
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実際にはなかったサージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンドを再現。ロンドンにて。
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最後はヘイジュードで華々しく。ロンドンにて