あけましておめでとうございます。本年もすてきな洋服作りに精進いたします。よろしくおねがい申し上げます。

元日朝2時に目を覚ます。真っ白い140双糸のシャツとロロピアーナタスマニアン150ブラック無地で仕立てたフォーマルスーツに着替え、グレー無地のアンジェロフスコネクタイをしめる。家族の着替えを待つしばしの間、白い文字盤に長短二本の針を持つ腕時計をながめる。動いていないようだがほんのゆっくり長い針が動いていくのを感じ、ゆっくりのようだが確実に時が過ぎるのを元旦の朝に感じる。名古屋駅午前3時発の近鉄特急に乗ると午前4時40分には伊勢市駅に着き外宮、豊受大神宮に向いほの暗い参道に歩を進める。伊勢神宮はいつ来ても厳か、今年もまたこの地に来ることが出来た事に言いようのない喜びと感謝の念が生じる。神宮の杜の上、天気予報に反して晴れた朝ぼらけの空には大きなオリオンと北斗七星が見え古代の人が見ていた景色をながめる気がして、いにしえの昔と今のつながりを感じる。豊受大神宮の神前で今年も日本の民に豊かな糧が与えられるよう祈る。その後、内宮、正式には皇大神宮に向かう。内宮の入り口、五十鈴川に架かる宇治橋の前には鳥居越しの初日の出を拝む人々ですでににぎわっている。橋を渡り玉砂利を踏みしめながら参道を歩くことしばし大木に囲まれた神域に着く。巨石が積まれた上に正殿がある。石段をゆっくり上って鳥居をくぐり神様の前に着いたらなんと一つ下の弟の息子達つまり甥の兄弟に出会う。約束も全くしないのに3年以上つづけ朝六時過ぎこの場所で会う不思議。なんとが我が家はことしもやっていけるだろう、そんなことを思う一瞬だった。そして天照大神の前で日本国民の安寧を心から祈る。イタリア欧州に通うようになって日本に住むすばらしさ、幸せが身にしみて分って来た。とはいえ日本国民だけ良ければいいのではない。中国、韓国、台湾など周辺諸国も日本国民同様自国を愛している。日本国を愛し、周辺国を尊敬し世界の平和を築いていきたいと祈った。

豊受大神宮、皇大神宮を参ってから裏手にある荒祭宮で手を合わせ、そして神楽殿前を左に曲がり橋を渡って風日祈宮に向かうと先ほどの人混みはうそのようで誰もいない。静かな静かな杜の中で新しい空気を身体一杯にいただきながら新しい年への誓いをした。
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ことしも伊勢神宮で背広初め。幸せな事です。
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風日祈宮まではまさに神秘の道。橋を渡る時、川の上に風が吹き抜けすべての穢れを吹き飛ばす。
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初日の出直前の宇治橋鳥居、白木の鳥居がなんと朱に染まる不思議さ。