五年ほどイタリア語を習っていたのでイタリアの街で言葉には不自由しない。わたしのような凡人でもイタリア語が使えるようになったのはイタリア語の発音の平易さと、間違ったイタリア語を話しても寛容に受け入れよろこんでくれるイタリアの国民性のせいだろう。町のレストランに入ったり、タクシーに乗るときがイタリア語の練習タイム。そこでの会話が旅のイタリア語を鍛えてくれる。天気の話しからはじまり、サッカー、クルマ、渋滞、町の様子などを知っている単語を駆使して話すとなんだか文法がくずれた変なイタリア語でもなんとかなるという勇気が湧いてくる。

昨年、フィレンツェで行われたピッティインマジネウォモの帰りにジェノバに立ち寄ってみた。ネクタイの名店フィノッロの店主にジェノバの地元料理の店を教えてもらい、そこで本物のパスタジェノベーゼをいただいた。イタリアではいわゆるパスタジェノベーゼをそうは呼ばない。たんにペーストを意味する「ペスト」と呼ぶ。「ペスト」にはゆでたじゃがいもとさや豆をいれるのが伝統的だと店の人におそわった。その店はさすがに美味しく、次の日もミラノまで帰る電車の時間の前に再び訪問したほど。

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昨日はその「パスタ・アル・ペスト」を自宅で再現してみた。 この時期バジルの葉が安く出回る。それをフードプロセッサに市販のバジルペーストといっしょにいれて、香り高いペーストを作る。一から材料を集めて作るより味が簡単にまとまる。あとはパスタと角切りのジャガイモとさや豆、きのうはモロッコインゲンをゆでて混ぜるだけ。混ぜるときに火にかけながらゆで汁であえるのはパスタの鉄則。そうやって出来た味はジェノバの思い出が染み込んだ味。こういった記憶がいちばんのイタリア土産じゃないかなと思っている。
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ジャガイモとモロッコインゲンを入れたらジェノバの味わい。 緑色に夏を感じる。