旅はほんとに良いなあと思います。準備で異郷の地を想像しながら愉しめて、そしてその旅の当日どきどきしながらときめきを味わいます。そして帰ってから思い出を反芻して人生の滋味を味わう。そんな3つの喜びがあります。
いま春素材のオーダーで忙しい日を過ごしながら、1月の旅を思い出しています。1月、ピッティ・ウオモの帰りにひさしぶりのフランス、パリを訪れました。当店のショーウインドウの改装を予定しており、その参考にするためパリの中でもステキなお店の多い通り、リュー・ド・バックを選びそこで泊まっていました。そして一日はランスに小旅行にでかけました。
ランスは大聖堂とシャンパンで知られパリからTGVで50分たらずで着く交通の便のいい都市。1/20のブログでもシャンパンのカーヴに訪問したことは書きました。
ランスではランチのあと、お目当てのこの地にゆかりの藤田嗣治の絵がある街の中心にほどちかいランス美術館にでかけました。ここはシャンパンメーカー、ポメリーの経営者アンリ・ヴァニエから寄贈のコレクションを元に集められているそうです。
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ランス美術館
ヨーロッパならずともほとんどの美術館というのは地元にゆかりのある人の絵がならべてあります。絵自体は有名作家のものでないにしろ、絵にその地方の風や光の色を感じるものです。自分の知らない人の絵でも絵は十分楽しめます。
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水門のある運河の絵。とても気に入りました。ランス美術館
そんな絵を眺め楽しんでいたら、急に見慣れた絵がありびっくり。ダヴィッドのショッキングな描写で知られた「マラーの死」でした。フランス革命の指導者の死を描いたもので、でこの絵のことを知っていました。オリジナルはウイーンにあり、この絵はダビッドとダビッドの工房作というということです。
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マラーの死、 ランス美術館
とても驚いたことに、ちいさな子供がランス美術館の名画のなかで、おままごとのように構図のおけいこしていました。見ていて小さい子が絵を汚さないか、ちょっと心配してしまいました。でも写真禁止、携帯電話が鳴っただけで怖い顔をして美術館員が注意しに来る堅苦しい日本の美術館とは大違い。フランスは芸術の国、小さいうちから本物の芸術のなかで学べばさすがに絵画のセンスは育つはずですよね。
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名画に囲まれて構図のおべんきょう。いいなこういうの。
藤田嗣治の絵はたくさんあり、この美術館のハイライトです。日本国内で批判があつまり、嫌気がさしてフランスに来て、レオナールフジタとしてランスの地で一生をおえた。そんなフジタの展示をフランス人たちも興味深そうに見ていました。日本人としてちょっと誇らしげな気分にもなりました。
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フジタの遺品を興味深そうに見るフランスのひとたち。
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藤田嗣治 ランス美術館
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藤田嗣治自画像 ランス美術館