大きな台風が九州を直撃しました。当店のスーツジャケットの縫製を45年近く担当している三ツ星グレードの縫製工場は長崎県にあります。九州電力さんは停電地区や状況をウェブで詳細に伝えていますが、その縫製工場も停電しているはずで心配しております。

オーダーサロンタナカは下職とか下請けという考え方は取りません。
縫製工場、作り手が美しいスーツに仕立ててくれるから今のわたしが生きているのです。作り手、売り手どちらが偉いのではなく共に生きていく、まるで家族のように。
先週も突然ですがその九州の縫製工場のスタッフが訪問してくれました。
40年も付き合っているからツーと言えばカーの関係です。たった10分のミーティングでもいっぱい意見は交換できる。さらなるバージョンアップの打ち合わせもいたしました。いい洋服作りへの思いはひとつだから話もスムーズです。

コロナ禍で久しぶりにあった工場のスタッフ。台風で無事であればいいのですが。

オーダーサロンタナカはコストを落とすため中国縫製に手を染めたことは一度もありません。5年以上前になりますが、東京丸の内のビル街にある華やかでエレガントな有名セレクトショップで思い切って27000円もするシャツを買いました。それでふとタグを見ると中国製。こんなお値段でも中国製なんだねとショップのスタッフに言うと、それがどうかしたのか、そんなのあたりまえじゃないのと木を鼻でくくったような答え。ちょっとがっがりいたしました。わたしはお客様にそんな思いはさせたくありません。シャツや軽衣料はいまはほとんどすべてワールドワイドに作られていますが、人権が抑圧された地区で繊維製品が作られることが問題にもなっています。せめて日本人のスーツ・ジャケットは日本人が作る。そして日本の経済を回していく。スーツ・ジャケットはもともと地産地消のもの。これからもオーダーサロンタナカは日本生産のみで行きます。