コロナが始まった直後、鈴木茂さんが大瀧詠一の曲を歌うというライブにでかけたら、こんな時期にとちょっと批判されたことがありました。それからというものコロナの時期はコンサート、ライブはめっきり減り、大好きだった名古屋ブルーノートも閉館となり音楽受難の季節でした。コロナが終了して、コンサートやライブも復活したようです。円安でチケットは確実に高くなりましたが、このところ外国のミュージシャンも来るニュースが増えてきました。今年来日するミュージシャンのライブもいくつか予約いたしました。この木曜日パット・メセニーがなぜか東海市芸術劇場にソロで来ます。楽しみです。
ライブやコンサートの前には、まだ会場がまだ明るいうちにBGMが流れています。きっとそのミュージシャンが選んだものでしょう、ライブが始まる期待に胸を膨らませながら聞く音楽で、渋い選曲に唸ることもあったり、意外な曲が流れる曲もあって、ライブでミュージシャンが演奏する曲との関連性を考えるのも楽しいものです。ただ、たまにそのライブのミュージシャンの曲をそのまま流すこともあり、それはライブの中身をネタバレするような気がして興ざめで好きではありません。数年前ポール・マッカートニーがナゴヤドームに来たときには、ステージが始まる前にポールの曲がばんばん流れて、テンションがさがってしまいました。
このライブとライブ前のBGMとの関係は、スーツ、ジャケットとポケットチーフの関係に似ている気がします。そのポケットチーフはなぜそのスーツに合わせるのかを考えさせるものが楽しいのです。さし色を考えたり、持ち物の色と合わせたり、なにかテーマ性をもたせたり。そうすることで着こなしにちょっとしたミステリーの味わいが混じってふくよかなコーディネートとなります。ときどきデパートで見かけるネクタイの柄とポケットチーフの同じ柄のセットはまさにライブの前にそのミュージシャンの曲をそのまま流すようなもので、ミステリーもなにもなく興ざめです。