お盆期間、山は混むと聞いていたので躊躇していましたが、たまたま当店のお休みと一般の会社のお盆期間がすこしズレたせいなのか、人気山小屋である涸沢ヒュッテの8/18宿泊予約が取れました。当初芳しくなかったので心配していた天気予報も日増に良くなって、当日には「てんきとくらす」の登山指数もAとなり、早朝3時半に家を出発、上高地までのバスがあるあかんだな駐車場には6時に着き6時20分発のバスに乗車、7時前には上高地から歩き始めました。

上高地。目指すは尾根の右側に望む「吊り屋根」の裏側

上高地は河童橋から望む穂高連峰の景色が美しい人気の場所で、山登りを目的としている人にはちょっとした苦行のはじまりの地。ここから梓川に沿って、明神、徳澤、横尾と10キロ以上景色もそう変わらない平坦な普通の道を歩きます。途中徳沢のおしゃれな山小屋「徳澤園」でピッツアの昼食、それから横尾まで一時間歩いて合計約2時間40分。長時間の割に空気が良いので疲れませんがやはり退屈です。

上高地からずっとこの景色を見ながらの3時間半の退屈な歩き
しゃれおつな徳沢園でのピッツア

北アルプスの主要な登山基地横尾まで来るとお客のすべては登山客となります。橋を渡って一時間も歩くと本谷橋、そこからは石積みの登山道を屏風岩を巻いて歩くこと2時間、穂高の尾根が見えてきて30分ほど登るとナナカマドの茂みの向こうに今回の目的地である涸沢ヒュッテに午後2時半到着、7時間半歩きました。横尾から涸沢ヒュッテまではコースタイム3時間と聞いていましたが、やはり67才の我々は30分の超過。登山は時間を競う競技ではないのが救いです。

やっと横尾、横尾橋を渡って登山の始まり。
横尾から一時間、元谷橋からは山登り。
左に見える巨大な山塊、屏風岩を巻いて歩く。向こうにちらりと尾根が見える。

本谷橋からの道はずっと登りできついですがきちんと整備されていて、まるで山寺の石段のような石積で極めて歩きやすい道です。急坂や冬になれば豪雪地帯ですから登山道はいつも崩れていきますが毎年山小屋関係者を中心として整備を重ねているそうです。

元谷橋から涸沢までの道は整備されている。
緻密に石を組んだ登山道は登りやすい。向こうにすこしずつ尾根が見える。
涸沢ヒュッテに着きました。尖っているのは涸沢槍 向こうに見えるのは涸沢山荘

ちょうど元氷河である涸沢カールの真ん中に位置していて穂高の尾根の絶景が見える最適場所です。登山者はここからスタートして北穂高にアタック、鎖場やはしご段を登りながら3時間から4時間で登頂となりますが、怪我でもしたら秋冬オーダー開始に差し支えると今回は涸沢ヒュッテを最終目的地としました。

ここでの飲食物はすべてこのヘリで運ばれています。感謝。
山小屋まで荷物をヘリで運ぶ光景はダイナミックです。

また氷河の跡に立つ涸沢ヒュッテは、昭和初期、本谷橋の手前に製材所を築き、周辺の木を切り出して製材し、それを人力で本谷橋から涸沢まで担いて築かれています。そして出来て一年目で雪崩で全壊し、再建した苦難の歴史のある山小屋。そういう目で涸沢ヒュッテを見ると、穂高の絶景の中に築かれたエレガントな五つ星ホテルに見えてきます。ここから見える穂高の峰は上高地から見る裏側に位置して、苦労して登った者しか見ることができません。頂上に登る計画はしませんでしたがここから見る景色だけで十二分に満足しました。

初日の夕方はすこしガス発生。

高地の山小屋までヘリで運んだ食材でこしらえた夕食や朝食は飽食のフレンチディナーよりありがたく身体に力が満ちてきます。これが一泊二食で15000円で泊まれるなんてコスパ良すぎです。

午前3時55分

朝3時に目が覚めて、ダウンジャケットを着込んで外にでれば穂高の尾根の上空にはプラネタリウムで見るような満天の星空、時を忘れて空を眺めるとだんだん尾根が赤く色づいて、モルゲンロートの美しさに心を奪われます。そしてその日は妻の誕生日。赤く色づいた尾根はバースデーケーキの代わりです。

午前4時15分
午前4時48分
朝日に照らされてだんだん山が赤く染まってきます。5時5分
穂高連峰全体がモルゲンロート 午前5時14分
誕生日を山で迎える妻