日本のロックを創ったレジェンドの一人、小坂忠さんが4月29日74歳でお亡くなりになりました。ご冥福を深くお祈りします。高校二年のとき、音楽通のチカダに教えてもらった「ほうろう」は最高にカッコいいアルバムで、その中の「しらけちまうぜ」は時代を先取りした日本のポップスとして燦然と輝く名曲。

コロナ禍でライブが少なかったこの2年が恨めしい時間ですが、以前は小坂忠さんのライブには名古屋、東京、京都、大阪とでかけていきました。この名盤「ほうろう」の再現ライブもありました。

いまからちょうど10年前になります。昨年惜しくも亡くなったセンチメンタル・シティ・ロマンスのセンタープレイヤー中野督夫さんと、これまたレジェンドであるはっぴいえんどの鈴木茂さん、そして小坂忠さんの3人で「完熟トリオ」と銘打ち、名古屋でライブをやりました。その際、中野さんに声をかけていただき前の日にいっしょにお酒をのみました。この瞬間は間違いなく我が人生の「タカラモノ」となりました。パテック・フィリップよりもジョン・ロブよりも、どんな高価な品物よりも価値ある思い出のタカラモノ。

思い出のタカラモノといえば、18歳の頃、センチメンタル・シティ・ロマンスの事務所にいりびたっていました。当時、大瀧詠一さんが「ナイアガラ」で、シリア・ポール、布谷文夫とツアーをすることになり、名古屋は勤労会館で開催しました。実はそのツアー大瀧詠一さん生涯ただ一回のソロツアーだったのです。センチ事務所が主催でその設営を手伝っていたのですが、その時、いっしょに手伝っていた友人セキドは大瀧さんに「ご苦労さま」と声をかけられたそう。わたしはべつの部所にいたので大瀧さんと話すことはありませんでした。そのタカラモノを持つセキドが今も羨ましくてしかたがありません。

天国で至高のライブ演奏中、なう。小坂忠さん中野督夫さん。私のタカラモノ画像から。
故人となってしまった中野督さん、小坂忠さん。鈴木茂さんはこれからも元気に長生きしてください。
2012年レジェンドたちの宴。鈴木茂、中川五郎、中野督夫、小坂忠