プロ野球の試合を見るひとは山ほどいるが詩の朗読会に行った事ある人って少ないのではないだろうか。昨晩今池得三で管啓次郎明川哲也による詩のライブが行われた。管啓次郎は若い頃をいっしょにすごした友で彼がが名門ライブハウス得三に出るならというので友人のスギハラをさそって今池に出かけた。彼は我が世代を代表する「知性」で翻訳家で詩人である。今年随筆で読売文学賞を受賞したが音楽家が愛する音楽musicians musicと言うものがあるなら彼の本は知識人が愛する本とでもいうべきで日本の優れた知識人から高い評価を受けている。明川哲也ドリアン助川といえば知っている方もおおいだろう。詩人でもありパフォーマーでもあり私の卒業した高校の後輩でもある。

若い頃いっしょに過ごした友の詩の朗読を聞くというのはどういう感じなんだろう。どういう気持ちになるんだろう、ちょっと心配しながら今池に向かった。心配だったのでスギハラと名古屋今池で最高にリーズナブルな飲み屋「なかむら参」でアードベック、ラガブーリンなど極上のシングルモルトで勢いをつけてから得三の階段をかけあがった。中にはもうすでに沢山の人がいてとても詩の朗読会とは思えない盛り上がりでこんな雰囲気なら楽しめそうと直感。マッカランでさらに勢いをつけているとステージが始まった。明川哲也は道化師のスタイルでシャンソンをアカペラで歌いながら登場、卒業した高校のネタで会場をぐっと引き込む。語りとともに世界で彼が体験したことを詩で表現する。すばらしいパフォーマンスに時のたつのを忘れていたら管の登場。彼の著書を中心に朗読がはじまる。明川の舞台のあとでは朗読は分が悪いが聞いていると彼の「声」そのクオリティの良さに気がついた。朗読というのは詩の内容が演者の「」にのってくるわけで倍音成分がおおいその声が心地いいので詩がぐぐっと引きたってくる。ハワイ、アメリカそしてカリブ海についての詩は難解ではなくぼーっと聞いているとその地に行きその景色に自分が立っている気がして来た。ダイヤモンドヘッドでたまたま出会ったドイツ人の旅行者を登った話を聞いていたらシングルモルトに起因するまぼろしかもしれないが270度の景色が目の前にあらわれた。

酔いが深くなりタクシーで自宅に戻ったが寝床で管と明川となぜか空港の国際線待合室で語り合う夢を見た。朗読会は初めて体験したが詩の力というのはすごい。今日になって詩で読まれたイメージ、たとえばカリブ海の小島の眺めや砂漠に流れる川が視覚化されどんどんよみがえってくるのには驚いた。
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ドリアン助川(明川哲也)のパフォーマンス。楽しかった!

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朗読はここちよい声に乗って。

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朗読がおわってリラックスした管啓次郎とドリアン助川(明川哲也)

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なかむら参ではこんな良いシングルモルトがなんと350円、ラガブーリン16年ですら500円。
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なかむら参のポテトサラダ250円。経費削減のため自家製にしているといううれしいお話。