お盆が始まる日、人に誘われなだ万さんに天麩羅を食べに出かけた。まだまだ日が高い6時半東急ホテルの2階ののれんをくぐった。木の箱には美しく仕事をした鮮魚と野菜が。板前さんがさいまきえびを折ってまっすぐにする「儀式」で今日の天麩羅がはじまる。天麩羅って野菜をごちそうにする魔術だと思う。甘み、うまみを引き出し、衣でまとめる。最高級の技と最高級のごま油で織りなす味を贅沢にもカウンターで味わう。天麩羅についてはカウンターかそうでないかは大きく違う。揚げた瞬間に出される天麩羅は目の前にきてもまだちりちりと小さな音を立てている。さいまき海老、あなご、鱚、めずらしいところで太刀魚、そしてエレガントにアワビに松茸。夏と秋の美味がそろい幸せを感じた宵。

anago

穴子も一仕事して骨の唐揚げと。

awabi
アワビの天麩羅、夏の最高級素材

matsu

もう秋か。衣に封じ込めた松茸の香り