ロロピアーナ社は毛織物の原料である羊毛・カシミアの買い付けに優れているため高番手の服地とカシミア100%で有名である。ときどきオーガニックというか天然志向の素材を生産しコレクションに登場することがあるがわたしはそういうシリーズが出ると好きで買い付けている。たとえば「ペコラネラ」、イタリア語で直訳すると黒い羊だが「なかまはずれ」という意味もある。それは白い羊の群れのなかに遺伝のせいかまれに黒い羊が生まれることがある。仲間はずれというのはそれを言うのだが ロロピアーナ社は普通は廃棄されてしまうその原毛を使って味のある焦げ茶の服地を作ったのだ。シャレが利いていてまた「もったいない」という日本的精神にも合致していてなによりその焦げ茶の色がすてきで当店のお客様にも人気があった。また「フラワー」というスーツ素材のシリーズは通常化学的に作られる染料のかわりに天然の木の実や草で作った染料で染めたものだった。いいブルーの色が出ていてこれもお客様に好評だった。

この冬リリースしたのは11/1のブログでも紹介した「カシミアナトウラーレ」、意味は天然のカシミア。通常カシミア素材はカシミア山羊のヘアーつまり剛毛の下のうぶ毛をすき取りその原毛を染料で染める。白い原毛のほうが淡色のカシミアが出来るため高価とも言われている。ロロピアーナ社はこのカシミア100%原毛を染めずに刈り取ってそのままのブラウン色の濃淡で仕分けて糸を作りそれでジャケット用、コート用の素材を作った。通常は化学製品である染料で色を染める工程を経ていないためカシミア原毛が傷んでいない。だから通常のカシミアより原毛の状態がいい。茶の濃淡しか色はないためジャケット用としてはウインドペン、グレンチェック、オートミールの3柄のみだがなかなかすてきなジャケットになる。 スペックはカシミア100%で綾織りの1mあたり330g。

11月18日(日)までなら スパンカシミアフェアに含めたのでスペシャルプライス、ジャケットオーダー価格108000円(税込)でオーダーいただけます。

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グレンチェック
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ウインドペン
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オートミール