今朝大きなトラックが店の前に到着。成田空港からのチャーター便トラックで着いたのは秋冬のために買付けたロロピアーナ社の素材の入った大きなダンボールのパッケージ10数個。コロナ禍とメディアが騒いでいますがイタリアアルプス近くの工場から出た荷物がミラノ・マルペンサ空港から成田国際空港まで空輸で着いて当店まで決まった日時に到着するということは、世界のロジスティクスが健全に動いているということになります。これも注目すべきことでしょう。十数個の大きなダンボールを見るとこんなたくさんの素材、お客様からオーダーいただくことができるのかと気が遠くなりますが、毎年シーズンが終わると本当にありがたいことにほぼ完売してしまいます。本当に素晴らしい素材を、リーズナブル(理由がちゃんとした)な価格で販売していることを多くのお客様が判っていただいているのを今更ながら考えるとあらためて感謝の気持ちが湧いてきます。

最初の仕事はロロピアーナコート素材の検品から

7月にコートフェアを開催し、お客様からいちばん多くオーダーをいただいだのはロロピアーナのウール100%コート素材「カポラヴォーロ」のアイアンブルーでした。ロロピアーナ社もリファレンスサンプル(参照見本)を発行して、その素材が間違いない優良な素材であることを伝えてくれています。とはいえまだ届いてもいない素材にオーダーいただいたわけですから、どんな味わいに仕上がったのか正直心配でした。ちょっとドキドキしながら開封してまず色を確認。思っている以上にいい色合いに織り上がっています。そして手触りを確かめます。原毛の素晴らしさで定評のあるロロピアーナ素材ですからこの素材も期待以上にいい風合いに仕上がっていました。

コート素材は目付が重いため、一反の重さもズッシリ。そして毛並みをつぶさないためスーツ反のように半分に折らずそのまま巻いてあります。
貴重なコート素材をズバッとカットするのはちょっと緊張もしますが、スカッとします。

そしてウインタータスマニアン150、タスマニアン170の検品

コートが終わったらウインタータスマニアン150、タスマニアン170の検品作業。ロロピアーナのウインタータスマニアン150は多くのお客様が価値を認める、リアルクローズとしてのスーツの最高峰。そしてタスマニアン170はスリーシーズン素材の最高峰です。この高価な反が入荷するとピリッと緊張します。でもこういういい素材を真正面に扱うことができて我々も幸せだなあと感じる瞬間です。

反で入荷したロロピアーナウインタータスマニアン150、タスマニアン170
ロロピアーナから入荷したダンボール箱で店内は満杯。今日は反の素材を扱うだけで時間がかかり、一点ずつかっとした素材を整理できませんでした。一歩一歩準備はすすみます。