ぼくの世代のロック好きなら忘れられない野外コンサート「ウッドストック」の映画、そのなかで「Somebady to love」を演奏した初代ジェファーソンエアプレイン。 ロックの歴史最悪の一夜,ローリングストーンズ、オルタモントライヴの映画「ギミーシェルター」でもその勇姿をみることができる。初代ジェファーソンエアプレインのメインユニットともいえるギターのヨーマコーコネン、ベースのジャックキャサディのライブは本当に楽しみにしていた。グレイトフルデッドがアメリカ最高のロックレジェンドジェリーガルシア死去で消滅してしまった後、あるアメリカのコラムニストはヨーマコーコネンを迎えて復活したらどうかと提案した文章を見た事がある。ジェリーに匹敵するほど味わいのあるギターと声のの持ち主なのだろう。二人は初代ジェファーソンエアプレイン活動のかたわらホットツナというユニットでブルースを演奏していた。ウッドストックから40年後、名古屋のライブハウスでホットツナのアコースティックバージョンが聞けるなんて夢のようだ。
親しみのある街、今池でお腹を満たしたあと得三に入る。満員の会場をながめるとわれわれから上の世代の観客が多いが、どこかミュージシャンの匂いのする人たちが多い。10人以上アメリカ人の客もいる。隣に座った外国人の方に声をかけると京都在住のアメリカ人で名古屋にかけつけたのだそうだ。HOT TUNAにまつわる話をいろいろ聞かせていただいたり盛り上がっているとステージに二人が登場した。
映画「ウッドストック」で見たあの面影を残したまま40年の年月を経て顔には深いシワがきざまれた二人は微笑みながらギターを弾き始める。ギターはマーチン、百戦錬磨のギタリスト、ヨーマの奏でる音色はひたすら甘く、土臭いブルースがとても甘く聞こえる。ジャックキャサディは愛用のエピフォン社セミアコタイプのベース。シンコペーション(下記に注)を刻むときに眉毛が上下するのが40年変わらぬ彼の演奏スタイル。独特のうねりのあるベースラインで気分が高揚する。ロックの基本ユニットはギター、ベース、ドラムスのスリーピースといわれる。クリーム、ジミヘン、マウンテン、ベックボガードアピスなどわれわれの時代には素晴らしい3ピースバンドが多かったがそれからさらにドラムを削ぎ落としたツーピース、二人だけユニットだがその音は饒舌。まるで気の合う男女二人のダンスのようにギターとベースの音が寄り添ったり離れたり戯れるのがわかる。40年以上一緒に演奏している二人だからビシッとグルーブが合ったリズムで、もうドラムも必要ないほどだ。そして枯れたヨーマの歌は深い味わいでたしかにジェリーガルシアとも通じるものがある。もはやエレガントとも言えるスイートで滑らかな味わいのブルースに酔った夜だった。
HOT TUNA のお二人、映画ウッドストックの面影はあるなあ。
あくまでスイートなヨーマコーコネンの奏でるマーチンサウンド 得三
この曲も演奏してくれた。
シンコペーション(syncopation、切分法)とは、西洋音楽において、ひとつの音がより劣位の拍(弱拍・裏拍)からより優位の拍(強拍・表拍)に鳴り続けることによって生じるリズムのことである。 俗語として「食う」と表現する[1]場合も多い。(8分食う、16分食うなど) 疾走感を表現できることから、ロック系の楽曲で使用されることが多い。wikipediaより抜粋