昨日の午後6時過ぎ、友人のしもちゃんに携帯電話を鳴らしたら、1秒後にしもちゃんは店に来た。仕事が終わったら富士屋西店へ飲みに行こうぜと打ち合わせしていたからこれはあたりまえのこと。

でも名古屋から遠く離れた塩尻に住むお客様Uさんに来週お会いするので打ち合わせしようと携帯電話番号を調べ、店のパソコンの前でUさんに携帯をかけたらどなたかお客様が店の入り口から入って来る気配がしたのでつながらないまま電話を切り、入り口をみたらそのUさん自身だったのにはほんとうに驚いた。Uさんは同僚の方のスーツを仕立てに遠方の長野県塩尻よりクルマで走って来られたのだが名古屋にお越しになることなど全然知らなかった。占い、スピリチュアルのたぐいは全く信じない私だが「縁」と言っていいのかシンクロニシティと言っていいのかこういう「見えないリンク」とでもいうものはあるとおもう。偶然と言ってかたずけられない意味のある連鎖が突然、まるで奇跡のように目の前に見えることがある。

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塩尻のUさん、ぼくがあんまり驚いていたのでそれがびっくりされたみたい。

10何年前のある冬、ロロピアーナ社とグアベロ社に訪問のためイタリアに行くことになった。当時イタリア語を一緒に習っていた奥様Aさんにイタリアに行ったらミラノに長く住む音楽家の友人におみやげを持って行ってほしいと頼まれた。面倒だなと思ったがむげに断る訳にも行かず、託されたおみやげの和菓子をスーツケースに入れてミラノに着いた。田中さんの泊まっているホテル、ウナセンチュリーの名前を友人に教えておくから、ホテルにその方が取りに行くとのことだった。旅の最大の目的はロロピアーナ社訪問だったが、ロロピアーナ社のあるクアローナはミラノから車で一時間半ほど離れている。はじめて会う東京のテーラーさんがガイド付きのクルマをチャーターしていたためその方と同行するてはずとなっていた。ロロピアーナ社に向かう朝、東京のテーラーさんの泊まっているミラノのホテル、エクセルシオールガリアまで行くと、はじめて会うガイドさんが親しげに話しかけて来た。名古屋の奥様Aさんの友人って私なんですよとそのガイドさんは僕に言った。その方は音楽の勉強のかたわらガイドの仕事もされているとのことだった。わたしはそのとき名古屋、東京、ミラノの遠い時空を超えた「見えないリンク」に目がくらくらした。

呼ばば誹れという言葉があるくらい、人を話題にあげるとその人が来るということは実際によくあることのようだ。世の中には不思議な事がたくさんある。
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昨日の夕方、しもちゃんと出かけた富士屋西店のお造り
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おなじく富士屋西店の串3種。丁寧なしごとがなされている。