ゴルフが好きだ。緑の大地に球を打ち出すエクスタシーが忘れられずずっとのめりこんでいる。練習も大好き。スイングやタイミングの微妙な変化でインパクトの感覚が変わるのが面白くてしょうがない。柳橋のミッドゴルフ練習場がなくなったいまでは建中寺となりの葵ゴルフ練習場で練習している。でもゴルフにはイヤミな部分があるのは認めざるを得ない。なんか小意地悪なところがあるのだ。知らない同伴者のシングルプレーヤーに上から目線でいじめられたことがなんどかある。ちょっとゴルフが上手いくらいで偉そうなのだ。ゴルフがどんなに上手くてもそれ以上でもなくそれ以下でもない。楽しむ事が一番重要なんじゃないか。なんか日本のプロゴルフ界も上下関係にきびしいらしい。それも気に入らない。緑のティーグラウンドに立ったら同じプレーヤー同士上も下もなしにフランクに楽しめばいいじゃないか。メンバーコースに出かけてもそういうシチュエーションができるのが嫌でぼくはクラブコンペに参加する事はまず無い。
昨日全米プロの最終日を見ていた。3ラウンドを終えてワンストローク差に何人もひしめく緊迫した状況。前のホールにはロリーマキロイ、最終組にはマキロイと同スコアでならぶフィルミケルソンと一打差のリッキーファウラー。これを勝つとすごい名誉だからこんな状況になると普通は目が血走るくらい真剣な表情でキャディーとプレーヤーが一つの世界に入り込んで集中している映像を良く見かける。最終のハーフの13晩くらいだったかくわしくはわからないがでも一打差でトップを争う場面、ミケルソン。ファーラー厳しい場面でもパーをセーブしたあと、ふたりで小さく握った手と手でちょんとふれあいながらガッツポーズしているのだ。年齢が離れて、スタイルも違う、でもお互い良いプレーをしていて「いいね!」を交換している。ああこういう友情ってほんとに素晴らしい。そしてミケルソンがスコアを一打落とし、マキロイがバンカーからの二打目をピンそばに寄せてバーディーを取り勝負がほぼ決した18蕃ホールでまたすばらしい友情のドラマがあった。
友情のドラマの原文はこちら。
以下ヤフーニュースより転載いたします
豪雨による中断が響き、最終組のマキロイがスタートしたのは午後4時19分。後続に2打差のリードをつけたマキロイが17番を終えたころには夕闇に包まれ、その濃さは刻々と増していく。終盤は1打を争うミスの許されない展開となっただけに、進行が遅れ、日没サスペンデッドを覚悟した大会関係者も少なくなかった。前のホールで後続との差を2ストロークに広げた最終組のマキロイが18番(パー5)のティグラウンドに上がった時、1組前のファウラーとミケルソンはまだティショットを打つ前だった。マキロイの脳裏には「18番ティで待っていたら、どんどん暗くなってしまう」との不安がよぎったという。プロゴルファーとはいえ、調子は日替わりなもの。もしサスペンデッドになって翌月曜日の再開となれば、たった1ホールでも流れが変わるかもしれない。ところが、ここでマキロイは、ティショットを打ち終えたファウラーから思わぬ言葉を聞く。「合図をしたら(ティショットを)打ってくれ」。進行を早めるため、自分たちが2打目を打つ前にマキロイにティショットを打たせるというのだ。「(サスペンデッドの)ホーンが鳴ったときに、ティショットさえ打っておけばホールアウトが許されるからね。だから打たせたんだよ」とファウラーはそのシーンを振り返った。結果的に1打差の2位だったミケルソンと2打差の3位タイに終わったファウラーは、18番ホールで最終組にさらなる配慮も示していた。ファウラーはイーグルパット、ミケルソンは3打目のアプローチを残しながら、わざわざプレーを止めてグリーンを空け、視界のあるうちにマキロイに2打目を打たせていたのだ。そんな気遣いもあり、マキロイは午後9時前に18番をパーでホールアウトして完走。日曜日のうちにカップを掲げることができた。「彼らの品位や人格をよく表していた行動だった。2人のすばらしいスポーツマンシップに感謝したくて、優勝スピーチで何回も(感謝の言葉を)繰り返したんだ」。夕闇の中、大詰めを迎えた緊迫の優勝争いと並行して、心温まるサイドストーリーが展開されていた。(ケンタッキー州ルイビル/塚田達也)
それまで三人は友達だったかもしれない。でもロリー、フィル、リッキーの3人が素敵なキャラクターであることはまちがいない。もしすべてのゴルフ場でこんなシーンが見られたらと夢想するのはわたしだけであるまい。そんなフレンドリーなゴルフの姿をもしかしたらとりもどすことができたらという思いで、ぼくはゴルフ場に行くと変な人とぎょっとされる事をも恐れず、出会った知らない人におはようございますとあいさつする。ぼくがゴルフをはじめた30年前はそんな親しみを感じる習慣がカントリークラブにはまちがいなくあった。日頃せちがらい世の中だからせめてゴルフ場だけは戦いのキリングフィールドではなく友情のフェアウェイであってほしいと心の底から願っている。ゴルフというものは実は人よりも一打でも少なくしたいという競い合うスポーツじゃなくて本質的に自分自身のベストなプレーを引き出すという極めて内面的なスポーツなんだと極めて「競い合う場」の全米プロゴルフ選手権を見てあらためて思った。
すべてのフェアウェイが友情の場であってほしいと心から願う。写真はトマムゴルフ場。