もう8月も後半で暦の上では立秋も過ぎて秋なのだが、晴れると射すような日光がまぶしく、雨が降ると蒸し暑く残暑がきびしい。とはいえもう一月あまりで10月になりおしゃれが楽しめる季節になる。そんな頃素敵な服を着ていただこうと今から準備をしている。

イタリア・トスカーナ州都フィレンツェの東、アルノ川の源流カゼンティーノ地方にスティアという集落がある。フィレンツェから距離的には60KMくらいとさして遠くはないのだが高い山に行く手をはばまれているため、時間をかけて南に下ってアレッツオから回り道をするか、細い山道を通って行くかの選択になる。その小さな集落の小さな織物工場のみで毛玉だらけの一見古着にも見えるカゼンティーノは作られている。一度見たら忘れられないこの毛玉は狩人が枝などで服地にキズを付けても目立たなくするために考案したそうでナッピングウールとも呼ばれる。もともとのオリジナル色は明るいオレンジとグリーンで狩人が森の中で迷彩として使用したことに由来している。ヴィンテージ感あふれるこのウール素材は州都フィレンツェの金持ちに好まれ愛用されてきたが、近年セレクトショップやデザイナーなどから注目を集め、一月のピッティウォモでも着ている人を時々見かけるようになって来た。当店にもこの秋冬素材としてシンプルなダークブルー無地、鮮やかなロイヤルブルー無地、自然なオリーブグリーン無地の3色入荷した。 ウール100%で1mあたり620gの重さが有るためとても暖かい。元々のデザインはダブルのコートだが重さを考えバックにアジャスターベルトが付いたコート丈85cm前後のシングルチェスターフィールドをお勧めしている。

イタリア スティア産 カゼンティーノ オーダーシングルコート価格 88000円(税込) 

日本ではカセンティーノと呼ばれていますがCASENTINOという綴りでイタリア語発音はSの前後は母音なのでCASA(家)がカーザと濁音で読むようにカゼンティーノとの表記を当店では採用しています。
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ボールドなラペル巾太目のチェスターフィールドコート 
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後ろは絞りをアジャストできるベルトでアクセントをつけた。
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シンプルな濃紺無地 完売
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ロイヤルブルー無地 完売
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 自然なオリーブグリーン無地 完売9/7
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小さな集落の小さなこの織物工場でカゼンティーノは生産されている。
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当店に在庫はないが左一番上の24番オレンジと 真ん中下の16番グリーンがオリジナルカラーだと言われる。