今ミラノ中央駅近くホテルミケランジェロで夜明け前。午前7時過ぎには電車でフィレンツェに向かいます。

フェイスブックで今、東洋経済ON LINEにハリスツイードのグッズがシマムラ ダイソーなどの安売り店に出ているとの記事が掲載されたことを知りました。このことを解説してみます。

ハリスツイードとは

ハリスツイードは英国で生産されるざっくりしたシェトランド羊毛を使い、スコットランド西北のアウターヘブリディ諸島で織っている紡毛織物です。大小いろいろな織元のものをハリスツイード協会が管理しています。ざっくりとした手触りは味わい豊か、空気をたっぷり含むため暖かい。太い繊維なので長持ちすると当店でも人気のある素材です。

ハリスツイードは高級か

一方細番手のエクストラファインメリノと比べ、繊維が太くケンプ(白毛)が混じるシェトランド羊毛は高級な原料ではありません。ですからハリスツイードはmあたりの単価が割安。リーズナブルな価格も人気の原因でハリスツイードは非常に良い素材ですが、カシミアやスーパー
120オーバーのメリノなどのエレガントで高級な素材ではないのです。リネン100パーセントと同じく極めて高級ではありませんが親しみがあり味わい豊かな価値のある素材です。

安価なグッズが使う量とは

通常オーダージャケットの場合150cm巾200cm生地
長が必要で、面積は30000平方cm
となります。これに比べポシェットなど小さいグッズなら
30cm角つまり900平方
cmでできてしまう。ジャケットの3パーセントしかつかっていない。端切れでもできてしまう。これを材料に中国で縫製するとコスト的にはシマムラさらにダイソーでも見合います。

問題の原因は?

ハリスツイード協会が生産したハリスツイードの反物のジャケット分2mごとに原則
1枚しか織りタグを発行添付していなければこの問題は起こりませんでした。またジャケット用に添付の正方形に近い約10cm

角のタグとは別にスリーブタグという袖口につける小さなタグが存在します。これを乱発したかもしれません。この問題は小物グッズを製造販売した小売に問題があるというより元売り、ハリスツイード協会の管理の問題かもしれません。




この出張に着るためハリスツイードでジレを仕立てました。冬のミラノもで暖かく助かります。