先週から今週のはじめにかけてオーダーの客様のご来店が多くブログの更新がとどこおっておりました。
以前は12月10日頃が年内納品の最終でしたが、今年は本日11/20が2018年の年内納期最終日です。遅延が許されない成人式スーツは先週金曜日までの受付でした。40年ずっと当店のオーダースーツを仕立てている日本国内の縫製工場に人気が集中し、納期が長くなってきました。お客様にはおまたせして大変申し訳なく思っています。

縫製工場との出会い
40年前、まだ当店の前身、田中羅紗店が中部・名古屋地区のテーラー向けに服地販売の営業もしていた頃、亡き父はその縫製工場で仕立てた服に出会いました。父が取引していた多くのテーラーが仕立てたハンドメイドスーツより美し上がったそのスーツを見て、すぐに取引をはじめました。その後ほどなく、前身である田中羅紗店ははその縫製工場だけのオーダースーツを扱う専門店「オーダーサロンタナカ」となりました。
縫製工場をリスペクトしながら
ですから当店はその縫製工場ありきのお店です。その縫製工場、融通は効くとは言えませんが、真面目な毛芯仕立て専門でいつも変わらない美しいラインが自慢。当店は縫製工場に「仕事をだしてやっている」のではなく「仕立てて頂いている」という感謝の気持ちを持ちづつけています。
地域でも評判の工場
九州にあるその縫製工場は安定した労働条件で、地域のひとびとのあいだでも評価の高い工場です。人的コストがコストのほとんどである縫製業にありがちな外国人研修生をつかってコストを下げることもしておりません。地域に住む熟練オペレーターさんが清潔な工場内で丁寧な仕事をしています。

その工場一社だけ、それが当店のやりかた。
当店は価格によって縫製工場を振り分けることはしておりません。ずっと40年間その縫製工場が縫製を担当しています。日本最高のモデリスタ、柴山登光先生の指導を頂いて国内オーダー工場のトップのひとつとして三ツ星評価を頂いています。デパートなどは工場を使い分けてか、分かりませんが12月になっても年内納品を行っています。ただ当店は納期がかかっても他の工場にまかせるつもりは毛頭ありません。

良い縫製工場とともにいい服作りをすすめてまいります。納期はかかりますが、ご愛顧のほどなにとぞなにとぞよろしくお願い申し上げます。
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チェック素材の手裁断の様子。
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パンツの美しさを決めるクセ取り工程