6時前に目が覚めたらベランダに雪が積もっている。みるとほんとにうっすらコンクリートの床につもっている程度。とはいえ今年の名古屋の冬の初雪である事はまちがいない。きっと名古屋城も美しい姿を見せてくれているだろうとひとり散歩に出かける事にする。中がフリース外がナイロンのパンツ、スリムタイプのプレミアムダウン、そして昨年買ったアウターを重ね着したらすべてユニクロさんになってしまったが雪のちらつく中ではこれ以外に選択肢は無い。クラシックスタイルであるツイードジャケットもカシミアチェスターコートも、英国で買ったバーバーのオイルジャケットも零度以下の気温で風が冷たい中では温かさ、防水、動きやすさの点でユニクロにまったくかわなわない。これ着て毛糸の帽子をかぶって歩いていると5分もしないうちに身体がぽかぽかしてきた。雪の中で散歩なんてなんて変わり者と思われるかもしれないが家の中で布団にくるまっている方が寒い。
外堀通りを渡るともう美しい雪景色が始まる。昔瀬戸電が走っていた外堀に架かる明治時代に出来た本町橋も白くお化粧。いつもいつも通る道だが季節ごとに表情を変えるのがうれしい。日本に四季があるのに感謝である。四季が有るのが当たり前だと思ってはいけない。四季の無い国も多いしまた日本ほど四季を彩る木々の多いところも珍しいという事も日本人は忘れている。ヨーロッパに北回りで行く時、飛行機の窓から下を眺めると木がない凍った大地を何時間も続くし、ローマから特急に乗りナポリに向かっていくとき車窓から見える山はずっとはげ山だったしオリンピックの時見た映像ではアテネ周辺もはげ山ばかりだった。名古屋は皇居、外苑、御所などがある東京と比べると緑は少ないと言われているしその通りだと思う。 とはいえ名古屋の中心には名古屋城周辺の緑豊かなところがあるのはうれしいものだ。家から名古屋城を一周すると約一時間で4800mくらい、カロリーでいうとラーメン0.7杯分となるそうな。しかし散歩というのは僕にとってはひとりっきりでいろいろなことに思いめぐらし、言葉にも出さずに思いを反芻する時間だ。考えがまとまることもあるし、かえって思い悩む事もある。今日は雪景色を撮るためiphoneを持ってでかけたがいつもはiphoneも財布も持たず出かける。ウェブデバイスとも経済活動とも切りはなされた時間を持つということは情報があふれた現代社会の中で生きるなかで「めりはり」を付ける意味でもぼくは大事な気がするのだ。
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本町橋から
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雪の散歩道
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愛知県体育館に続く門
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金鯱城の雪景色
 
今日はこの歌「しんしんしん」の気分。