横山剣は「クリスマスなんか大嫌いさ」と歌う。どちらかって言うとそういう気持ちに近い。子供の頃は誕生日が12月だったから親にクリスマスプレゼントは省略で、大人になってバブルに浮かれホテルがカップルの予約で取れなかった頃もそんな楽しい事をした思い出も無い。普通の食事を家族で囲み近所のコンビニで「雪の贈り物」というプリンが中に入っているケーキを買って食べるのが我が家のクリスマスシフトとなっている。14年前まで当店の二階に「新フランス料理ルウイ」というフレンチレストランがあった。クリスマスになるとその店内は薄暗くキャンドルだけでクリスマスディナーをカップルで味わうお客さんであふれ僕たちは家族でコートをあずかるクロークのお手伝いをした記憶がある。クリスマスディナーに使う生きたオマールが逃げ出し、私たちの家の玄関にたむろして怖かったこともあった。とはいえ当店もこの時期ショーウインドーにクリスマスの飾り付けをしている。私どもの子供は一男一女でその兄弟が仲良くし欲しいと願いをこめて買ったディアドロ製の兄弟で聖歌を合唱する姿の人形を飾っている。
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当店のショーウインドー

通常イタリアのクリスマスは1月5日前後の「エピファニア」までとされている。イタリア出張はいつも1月10日ごろフィレンツエで開催されるピッティウオモにあわせて行くでクリスマスシーズンはすでに終わっているが街にはクリスマスの名残がある。 「プレゼピオ」といわれるキリスト生誕の瞬間の小屋をかたどったジオラマが教会を飾っている。普通はちいさな物だがわたしが見た最大のプレゼピオはバチカンのサンピエトロ広場にあるもので実物大の小屋となっている。
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バチカンサンピエトロ広場の巨大なプレゼピオ。2008年撮影