机の前にある棚を整理していたら金色の紙箱が出て来た。あけてみると紙に包まれたネクタイ、それもかなり個性的なネクタイだ。黒いシルクでヨコに絞り?が入っている。ヨコにエンジ、グレーの太いボーダー柄でまるで工芸品のおもむき。そして幅は5.2cmと狭く長さは約130cm、そして通常のネクタイと違って先が剣先になっていなくて四角い。そして後ろのタグには「MARTIN FREEDMAN  shirt maker NEW YORK」と書いてある。これはどう見ても僕のものではない。17年前に亡くなった父へのニューヨーク土産だろう。きんぼし新栄をやっている弟は15年前までセレクトショップのバイヤーだったのでたぶん彼がニューヨークに行った際に買って来たものだろうと推理したが電話で確かめたところ違うという。何がなんだか分からなかった。

今母に聞いたら謎が解けた。私のおじいさんの兄弟は四日市の田舎からメキシコ移民にでかけた。アメリカとメキシコの国境の町ティファナでカサ・タナカという商店を営んでいた。1964年におじいさん夫婦が名古屋から兄弟の住むメキシコとアメリカに遊びに行き、その際ニューヨーク五番街で購入したものだという。約五十年前の思い出のネクタイで今のネクタイの風体とは全く違う。
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横の絞りがかなり風変わり。
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こんなタグです。どなたかご存知の方いらっしゃいますか?