先週山代温泉に行ったおり、北大路魯山人が焼き物を習ったという九谷焼窯元須田菁華窯に伺った。2年前家族で山代に来た時ここを訪ね、畳に上がって九谷焼を見せていただいたが小鉢が一枚一万円くらいという高級さに躊躇した。しかしなにか惹かれるものがあり一枚だけだが購入した。 その器は白菜の染め付けの絵があしらってあり僕がウイスキーのソーダ割りを飲むときのつまみを入れておく小鉢に使っていて、味のある白菜の絵と器の肌あいが良く愛着を持って使っている。300円の器でも10000円の器でも持ちは一緒だが良いものといっしょに暮らすとこころが豊かになってくることがこの器で分った気がした。
それに味をしめて今回も一枚だけだが購入する事にした。 今回は四角い小鉢で真ん中に「吉」と書いてある。エラブラシのような画法は「吹き墨」と言われ、涼感を醸し出す。今日はどんなつまみをその器に盛って一杯やろうかと午後五時を過ぎる頃となれば思いをはせることとなる。芸術作品というわけではないがぼくにとっての小さな宝物となった。
吹き墨のなかに浮かび上がる「吉」の文字。周りの線も味わい深い。
裏には菁華の銘
須田菁華窯の看板は魯山人作
窓には美しい九谷焼が並んでいる。
2年前に買った伴天連楽器の箸置きと白菜柄の小鉢はこんな風に使っている。