日本語なら時計だが英語だと腕時計はウォッチ、柱時計や掛け時計はクロックというらしい。イタリア語は教会の鐘も家の呼び鈴もじゅっぱひとからげにカンパーナというイタリア語と違い英語は語彙が多いなと感じる。ちなみにイタリア語だと柱時計も腕時計もオロロージオ(orologio)となる。店の入ってすぐ右に17年使っている振り子時計が掛かっている。これもまちがいなくクロックだと思う。伏見通りと広小路通の角の宅見時計店のショーウインドーに掛かっていたもので通りかかってそのデザインの秀逸さに惹かれひとめぼれして、5万円近くとちょっと張り込んだがそのときは持ち合わせが無くて1万円だけ置いて家に帰り、次の日に残金をもって受け取りに行ったのを覚えている。 上質な木材で出来ていて木の振り子が揺れる。でも振り子の紐は黒い本体に隠れて見えない。白い文字盤にはFRANZ HERMLE & SHORNと上品な筆記体で書かれている。セイコーが輸入して販売していたものでいままで2度セイコーに送って修理をしている。ウェブサイトで調べてみるとFRANZ HERMLE & SHORN社はドイツにあるクロックの世界的メーカーですごい柱時計なども作っているようだ。17年間ずっと店で振り子を動かしている時計をみると愛すら感じてくる。50才もなかばを過ぎ、バカな若い頃とちがって要る物と要らない物も判断できるようになってきて衝動買いをすることもない。目もそれなりに肥えて来て、必要な物で良いものなら多少高くてもいいとおもっているが最近は買い物にいってもそういった物にお目にかからず手ぶらで帰って来てしまう事もおおい。この時計のようなずっと長い間、そこに存在するだけで豊かな気分になるモノにまた出会いたいなと思っている。
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