新年あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんご愛顧いただきほんとうにありがとうございました。本年も洋服屋として仕事に精進いたします。よろしくお願いします。
大晦日は午後10時前に床につき、元旦2時起床。近鉄名古屋駅3時発の特急に乗るのが今流行の言葉で言うとルーティーンにもなっている。伊勢市駅につくと空気はピンと澄みきり漆黒の空に月と星が輝く。通称外宮、豊受大神宮へは歩いて向かう。神宮に入ると闇のなか白装束のお手伝いの方が焚き火を焚いていてそれがまた神秘的。エルメネジルド・ゼニア・エレクタのブラックで仕立てたピークラペルのスーツ、140双糸のシャツ、アンジェロフスコのシルバーグレイ無地のタイ、靴はChurch`sのコンスルという正装で神前にたつのが洋服屋としての年初の儀式としている。日本国民が今年一年食事に困らぬよう心に念じる。
それから内宮、正式名称神宮。神宮の中の神宮ゆえまえにもあとにもなにも付けない。神域をしめす五十鈴川を渡る宇治橋の向こうの東の空には明けの明星と呼ばれる太陽と月の次に明るいマイナス4等星の金星が行く手を導くように輝いている。玉砂利を踏みしめながら寒風の中を正宮に向かって太い杉木立の中を歩むと正宮の前にでる。この時になるとだんだん厳かな凛とした気持ちになる。正宮で天照大御神に今年一年日本国の民が平和な日々を過ごせるようにこころから祈願した。
正宮参拝のあと別宮の荒祭宮と風日祈宮を参拝。お神酒をいただき、今年も美味しいお酒が飲めるよう念じる。おかげ横丁の寿司久で入店を待っていると弟家族にばったり会う。こんな混み合っているのに連絡もしないでいつもばったり会うのが我が家の七不思議かもしれない。食事を済ませ神宮をあとにする直前に宇治橋の鳥居の上に初日の出が昇り、縁起がいいことこの上なし。
宇治橋の向こう、東の空には金星が輝き、内宮の正宮に導かれるよう。
正装をして伊勢神宮に参拝するのは神宮への尊祟の気持ちであり